23年3月期連結決算の業績予想は下方修正...主軸の「樹脂事業」が中国で需要低迷
もっとも、東レの事業分野を2022年3月期の売上高別にみると、最も大きいのは機能化成品(樹脂事業など)40.8%で、繊維(37.5%)が続く。炭素繊維複合材料は9.7%と3番目で、環境・エンジニアリング(8.9%)、ライフサイエンス(2.3%)が続く。
さまざまな事業をバランスよく展開しているともいえるが、炭素繊維の収益全体への貢献度は高くはない。実際、11月8日に2023年3月期連結決算の業績予想を下方修正しているが、主因は樹脂事業が中国の需要低迷の影響で、収益を想定より減らす見通しであることだ。
炭素繊維複合材料はむしろ想定より収益を拡大する見込みだが、全体としては下方修正になってしまう。このあたりが12月15日以降の株価の伸び悩みに反映しているかもしれない。(ジャーナリスト 済田経夫)