アルムナイネットワークを活用し、退職者と中長期的に良好な関係築く
そうしたなか、銀行界でもアルムナイ採用が広がってきた。
みずほフィナンシャルグループは「カムバックアルムナイ採用」を用意している。
対象となるのは、転職や学業などによるキャリアアップのために退職した人や、育児や家族の介護、配偶者の転勤などのやむを得ない事情で退職した人など。さまざまなフィールドでの経験や知識を活かして、みずほでもう一度働く意欲のある人を待っているという。
みずほでは、再雇用を視野に、退職後も関係を保つ手段として「アルムナイネットワーク」を立ち上げている。
みずほグループに勤務し、自己都合などの理由で退職した人を対象に、コミュニケーションサイトを開設。入会登録すると、退職者同士の交流が可能になったり、みずほの最新情報や各種レポートなどが受信できたりする。
こうした取り組みは、退職後もコンタクトを取り続けるツールとして、また、組織化して帰属意識を高めることで、気持ちのうえでも再雇用しやすくする狙いがある。欧米企業や先進的な導入企業の中には、退職者の交流会を定期的に開くこともあるという。
銀行界では、りそな銀行や埼玉りそな銀行を傘下に置く、りそなホールディングスも、アルムナイ採用を実施している。預金・為替業務のほか、システムやM&A、不動産、ローン・融資や外国為替業務と幅広い業務で、優秀な人材を求めている。
地方銀行では、りそなグループで関西みらいフィナンシャルグループ傘下の関西みらい銀行が導入。同行のアルムナイ採用の募集概要をみると、個人や法人、窓口のそれぞれで営業職を求めているようで、正社員として採用する。