欧米企業では一般的 日本では電通、アクセンチュア、リクルートなど導入
アルムナイ採用は欧米企業ではごく一般的な制度になっている。
退職者を貴重な人材リソースと捉え、会社を退職した後もコンタクトを取り続けて組織化し、そこから再雇用する「仕組み」を整えてきた。
国内では深刻な人手不足で、ここ数年来、製造業やIT、サービス業などで広がってきた。導入企業には、電通やアクセンチュア、リクルート、セールスフォース・ドットコム、住友商事、横河電機などの名前が見られる。
パーソル総合研究所の「企業のアルムナイ(離職者との繋がり)に関する調査」(2020年5月29日公表)によると、離職した企業への再入社の意向をみると、「再入社したい」人は8.3%で、実際に過去5年以内に再入社した人は2.13%だった【下図参照】。
ここ数年は、育児や介護などのやむを得ない事情で会社を辞めた人が少なくない。こうした人を再雇用する「ジョブリターン制度」は、アルムナイ採用に近い考え方といえそうだ。
いずれにしても、日本は人口減少社会に突入。優秀な人材の確保が難しくなるなか、アルムナイ採用にますます注目が集まりそうだ。