かつては「裏切者」よばわり?が...いまや大歓迎! みずほ「カムバック入社」、りそな、群馬銀行も... 広がる「アルムナイ採用」をおさらい

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   人手不足が深刻化し、優秀な人材の確保が厳しくなるなか、採用面では就職人気ランキングではいつも上位に位置して、優秀な人材が比較的集まりやすいと思われていた銀行が、退職者を再雇用する「アルムナイ」採用を取り入れるようになってきた。

   すでに、みずほフィナンシャルグループや、りそなホールディングスとその傘下のりそな銀行、埼玉りそな銀行などで導入している。2022年12月1日からは、地方銀行の群馬銀行が運用を開始した。いま、ジワリと、広がってきているようだ。

  • アルムナイ採用が広まっている(写真はイメージ)
    アルムナイ採用が広まっている(写真はイメージ)
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会社側は採用や研修のコストがかからない

   アルムナイ(alumni)とは、「卒業生」「同窓生」を意味し、人事の分野では「退職者」を指す言葉だ。アルムナイ採用は、もとはその会社に勤務していたが、さまざまな理由で退職した人を再雇用する制度だ。

   もともと自社にいた人なので、社内事情に精通していて、人間関係もわかっている。仕事の進め方やスキル、コミュニケーションも心得ており、商品やサービスの内容や知識も豊富、かつ理解しているので、採用時や戦力化するまでの研修にかかるコストが必要ない。

   また、他社を経験したことで視野が広がったり、スキルアップしたりしていることも強み。そのため、違った視点から、自社の働き方や商品・サービスの改善点などを指摘できる、といったメリットが見込める可能性がある。

   その半面、これまで日本の企業は、終身雇用の考え方が一般的だった。したがって、自己都合を理由に退職した人を快く思わない風潮があった。退職の原因の多くが、「社内の人間関係」とされることもある。

   だが、近年の労働市場の流動化の進展によって、キャリアアップや、給与や待遇の向上などを理由に転職する人や、起業する人は珍しくなくなったものの、会社という組織から「離脱」する人は「身勝手な裏切り者」のように見られていた。

   そのため、自ら退職を決断した人も、かつて勤めた会社に戻ることにためらいを感じる人は少なくない。会社側としても、仮に再雇用しても、既存社員との良好な関係を維持するための手間やコストがかかる可能性があるのだ。

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