日銀、「事実上利上げ」サプライズに市場衝撃! 日本株急落、円高加速...エコノミストが指摘「官邸も寝耳に水」「批判浴びない絶妙タイミング」「次期総裁のための地ならし」

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外形的には「海外投資家の勝利」「日銀の敗北」

   一方、同欄では、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野安泰也氏が日本銀行の対応を批判した。

「黒田日銀総裁在任中は異次元緩和の修正はないとみられていただけに、今回の決定は大きなサプライズ。『社債や貸出等の金利の基準』であるべき10年債利回りがイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)上で人為的に低い水準に押さえ込まれた結果、社債や地方債のプライシング(価格設定)が困難になるなど、日銀が問題意識を強めざるを得ない材料がこのところ増えていた」

   これまでの政策の問題点を指摘。そのうえで、

「今回の決定は、一連の金融引き締め策の端緒というわけではあるまい。もっとも、この決定は少なくとも外形的には『海外投資家の勝利』『日銀の敗北』。緩和策の新たな点検・検証を行うことのないまま日銀が政策運営を突然変えた事実は、YCC解除も突然行われるのではというような市場の疑念を強めることにもなる」

と、市場の動揺がしばらく続くとした。

日本銀行の突然の政策変更で、ドル円レートも5円近く円高に上振れた(写真はイメージ)
日本銀行の突然の政策変更で、ドル円レートも5円近く円高に上振れた(写真はイメージ)

   ヤフーニュースのコメント欄では、第一生命経済研究所主任エコノミストの藤代宏一氏が、

「日銀は予想外にYCC(イールドカーブ・コントロール=長短金利操作)の修正に踏み切りました。短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度で据え置くYCCの枠組みそれ自体に変更は加えませんでしたが、10年金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.25%からプラスマイナス0.50%へと拡大しました。事実上の利上げです」

と説明。つづけて、

「もっとも、日銀が発表した声明文には、今回の修正は『金融緩和の持続性を高める』目的であると明記されていました。あくまで金融引き締めではなく、債券市場の歪み(10年金利が局所的に低い)を取り除くことで、YCCを長期に継続していく構えを示した格好です。
今後、日銀が賃金・物価の持続的上昇に自信を持てば、いよいよマイナス金利の撤回が視野に入ります。引き続き賃金・物価データを注視していく必要があります」

と、日銀が今後、金融引き締めに動く可能性がありうると示唆した。

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