日銀、「事実上利上げ」サプライズに市場衝撃! 日本株急落、円高加速...エコノミストが指摘「官邸も寝耳に水」「批判浴びない絶妙タイミング」「次期総裁のための地ならし」

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官邸も寝耳に水、市場が想定しない師走のタイミング狙った?

   今回の日本銀行のサプライズ、エコノミストはどう見ているのか。

   日本経済新聞(12月20日)「日銀が緩和縮小、長期金利の上限0.5%に引き上げ」という記事に付くThink欄の「ひと口解説コーナー」では、日本経済新聞社特任編集委員の滝田洋一記者が、

「注目されるのは、政策変更の根拠として債券市場の機能低下を挙げている点です。唐突な感じを抱かれるかも知れませんが、実はこのポイントは10月12日のG7財務相・中央銀行総裁会議で、米欧側が指摘していた懸念事項でした。
政策変更の機をうかがっていた黒田総裁としては、市場参加者が想定していなかった師走のタイミングを狙って、長期金利の上限引き上げ(変動幅拡大)に動いたものとみられます」

と、突然の政策変更の背景を説明。

「今日の政策変更は官邸にとっても寝耳に水。もちろん、市場のサプライズも大きい。なかでも債券市場は、長期金利の上限のさらなる引き上げを催促する展開になると思われます」

と、官邸や市場の動揺の大きさを伝えた。

岸田文雄首相も政策変更は知らされていなかった?
岸田文雄首相も政策変更は知らされていなかった?

   同欄では、元日本銀行政策委員会審議委員の経歴を持つ慶應義塾大学総合政策学部の白井さゆり教授(国際金融論)が、

「基本的にはこれまでの枠組みを変えずに、変動幅だけを上下0.25%から0.5%へ拡大する決定をしています。2016年に長短金利操作を導入し、2018年に上下0.2%を明示的に導入し、昨年3月に0.25%へ拡大してきているため、その延長線の政策です。私(=白井教授)も変動幅の拡大を以前から提案する発言をしておりました」

と、これまでの経緯を説明。

「しかし、今年に入り日銀サイドも拡大について否定されていたため、今回の対応はサプライズになったようです。0.5%で指値オペを続けるようですが、長期金利はむしろ低下しており、市場が落ち着くのにしばらく時間がかかるかもしれません。サプライズにはなりましたが、政策の方向としては適切な対応だったとは思います」

と、今回の政策変更を評価した。

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