きょうは30代のHさんがいらっしゃっています。
「20代から部署異動しながらもずっと内勤で働いています。営業職や技術職の同期をみると、成績を上げていたり、特許をとったりと活躍している姿ばかり目に入ってきます。仕事内容が違うので比べても仕方がないですが、ずっと内勤で働いてきたので、自分は仕事で何を積み上げてきたのかなと、ふと不安になってしまうんですよね。ずっとこの仕事を続けているけれど、果たして自分って向いているのかな、他の仕事を知らないだけなのかな、なんて思ったりもしますね。上司に相談したら『あまり人と比べずに、Hさんらしく仕事をしてみなよ』と言われました。私らしく、ってなんでしょうね。」
向いているか、向いていないか...自分ではよく分からない
転職の面接や自己紹介の際に、自分は今の仕事が向いている、天職だとアピールする人もいるかと思います。でも、実際にはHさんのように、「長く続けただけで、向いているかどうか分からない」といった人もいるかと思います。おそらく定年まで、「向いているのかな」と、答えを見つけられない人もいるでしょう。
続いているからきっと向いているんだと思えたり、自分では向いていないと思いながらも人からは「向いているね」と言われたり......。それで、「結局どっちなんだ」と分からないままかもしれませんね。
「コツコツ続ける人は事務職に向いている」「体育会系は営業職に向いている」などと、ひとまとめにされることもあります。けれども、自分に本当に向いているかどうか悩むよりも、何か「自分らしいポイントを持って働けているかどうか」が大事なのではないでしょうか。
「自分らしく」「ありのままに」ってよく言われるけど...
特に最近は、「個の時代」とも言われるので、「自分らしく」というフレーズをよく耳にしますよね。「自分らしく仕事をする」「ありのままに......」とは、結局なんなのでしょうか。
これは、仕事をする上で「自分らしいポイントを持って働けているか」だと思います。
例えば、事務職で「この人仕事ができる人だな」と思う人にも、さまざまなタイプの人がいると思います。
・正確でスピーディーな人
・とにかく丁寧な人
・集中してコツコツ取り組む人
・まわりを見ていて困ったときはサポートしてくれる人
・「こうすると良くなる」と提案してくれる人
すごくコミュニケーション能力に長けている人や、任せたら安心できる人などいますよね。
・責任を持って最後まで取り組みたい、任されたことは完璧に仕上げたい
・誰かのサポートをしたい、役に立ちたい
・成果を出したい、同期に負けたくない
このような気持ちで仕事に取り組んでいて、気づいたらまわりから重宝される、今の仕事が「向いている」と思えるようになるのではないでしょうか。
どんな時に嬉しいか、達成感を覚えるのか...向き合ってみよう!
一方、ただ残業少なめの職種・業種を選んで「何となく続けている」だと、ずっと「今のままでいいのかな」と、モヤモヤとした気持ちのまま働き続けることになるかもしれません。
せっかく働くのであれば、「仕事をする上での自分の働く理由」を考えてはいかがでしょう。「生きるため、生活をするための仕事」なのかもしれませんが、それだけでは長く続きません。
「どのような時に嬉しいのか」「どのような時に達成感を覚えるのか」などを考えることによって、仕事に対しての向き合い方も変わっていくはずです。
Hさんは営業や技術職のような目に見える成果が少ない職種ではありますが、「向いているか、向いていないか」の前に、目の前の仕事に対してどう向き合うかが大切。「向いてない」と思った時には、別の道の勉強を進めてみるのも、このご時世には必要なことかもしれませんね。(ひろ子ママ)