「会社に不満・不安ある」...無期パート56.5%、有期パート56.1%、有期フルタイム69.1%
一方、企業側への調査では、「有期雇用フルタイム」で「定年退職者の再雇用のため」の雇用が61.9%にも上っていた。だが、個人に対する調査では無期雇用パートタイム、有期雇用パートタイム、有期雇用フルタイムともに、60歳以上、特に65歳以上が占める割合が多くなっている。
65歳以上の男性が占める割合は、無期雇用パートタイムで27.1%、有期雇用パートタイムでは54.6%、有期雇用フルタイムで23.1%となっている。
無期と有期のパートタイムでは65歳以上の男性がもっとも多いが、とりわけ有期のフルタイムでは60~64歳の男性が39.5%ともっとも多い。これは、65歳定年までの受け皿に使われているためだろう。(表3)
このように、パートタイムや有期のフルタイムで働く労働者でも、男性の多くはそれが主な収入源となっている。無期のパートタイムでは76.5%、有期のパートタイムでは83.0%、有期のフルタイムでは88.5%の男性が主な収入源と回答している。(表4)
会社側への調査では賃金や手当での格差が明らかになっているが、福利厚生面でも大きな格差が見られる。
たとえば、社員食堂などの利用では、正社員が100%利用できる場合の利用可能割合では、無期のパートタイムでは18.3%、有期のパートタイムでは29.5%、有期のフルタイムでは38.8%しか利用できない。
同様に、健康管理面で重要な人間ドックの補助や特にスポーツクラブの利用などの補助では、非常に低い割合となっている。(表5)
こうした格差を中心に、「会社に対して不満・不安がある」と回答したのは、無期のパートタイムでは56.5%、有期のパートタイムでは56.1%、有期のフルタイムでは69.1%といずれも50%を超える高い割合となっている。
不満・不安の内容として、「賃金が少ない」との回答は、無期のパートタイムでは67.1%、有期のパートタイムでは72.5%、有期のフルタイムでは68.9%と約7割を占めている。特に、無期のパートタイムの女性が71.5%、有期のパートタイムの男性が76.6%、女性が71.6%、有期のフルタイムの男性が71.6%と、7割を超えている。(表6)
有期のフルタイムでは90%近い男性の主な収入源になっているにもかかわらず、正社員とパートタイム・有期フルタイム労働者との格差には大きなものが残っている。
高齢者や女性の有効活用を声高らかにうたう半面、その労働条件・環境を必ずしも、有効活用できるような状況になっていないのが実態だ。