パートタイム・有期雇用労働者と正社員の「格差」問題...賃金、昇給、賞与、手当て、福利厚生で シニア・女性活躍には「労働環境」整えなければ(鷲尾香一)

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昇給、賞与などの待遇差...企業は「求められなかったが、説明している」19.8%

   賃金だけではない。人事評価・考課や定期的な昇給、賞与などの面でも大きな格差があるのが実態だ。

   正社員には100%実施している場合、定期的な昇給があるのは無期雇用パートタイムで58.5%、有期雇用パートタイムで42.5%、有期雇用フルタイムで41.5%となっているが、これはあくまでも企業側の回答だ。(表1)

   こうしたパートタイム・有期雇用労働者と正社員の待遇差を説明しているか否かについては、どうだったか。

   調査によると、「説明をしたことはないが、パートタイム・有期雇用労働者労働者から求められれば説明をする予定である」が46.5%と最も高く、次いで「パートタイム・有期雇用労働者から求められなかったが、説明をしている」が19.8%、「説明をしたことはなく、今後も説明をする予定はない」が16.0%、「パートタイム・有期雇用労働者から求められ、説明をしている」が5.6%となっている。

   つまり、説明をしていない企業が62.5%を占める結果となっている。

   こうした正社員との格差は、各種の手当でも行われている。

   主な手当では、通勤手当は比較的に正社員同様に支払われている。しかし、役職手当や家族手当、住宅手当については、パートタイムにはほとんど支払われていないのが実態だ。(表2)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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