「今を生きる我々が、自ら責任を背負うべき」岸田首相、増税強硬に新聞社説総スカン! 「選挙で国民に信を問え」「議員こそ特権捨てる痛み背負うべき」

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北海道「選挙で国民に信を問うのが筋」、東京「国会議員こそ自らの痛みから逃げるな」

選挙で国民の信を問うのが筋だ(写真はイメージ)
選挙で国民の信を問うのが筋だ(写真はイメージ)

   「増税をするなら国民に信を問うのが筋だ」として衆議院解散を求める新聞も少なくない。北海道新聞社説(12月15日付)「防衛費の財源 増税も国債も理がない」は、こう訴えた。

《防衛費増額に関わる増税や国債発行は国政選挙で問われておらず、国民の理解は得られていない。税の扱いは憲法が規定する財政民主主義の根幹だ。国民の代表である国会に諮らず政権が恣意(しい)的に運用することは原則に反する。国会での徹底議論が欠かせない。
増税するなら国民に信を問うのが筋である。
防衛費に関して(中略)財源は歳出改革などのほか、2027年度以降は1兆円強を増税で賄うとし「今を生きる国民が自らの責任として、その重みを背負って対応すべきだ」との考えを示した。
しかし、具体的な装備内容を示さないまま「規模ありき」で総額を示し、そのうえ増税まで求めるのは議論が倒錯している。財源確保が難航しているのは、大幅増額が国力に見合ってないことの証左ではないか。
そもそも首相は「個人の所得税の負担が増加するような措置は行わない」と明言していた。復興特別所得税の課税期間を大幅延長することに伴う増税は、この発言に矛盾していると言うほかない》

   北海道新聞は「他の財源も問題が多い」とし、新設する「防衛力強化資金」も必要な額を本当に捻出できるかは疑わしく、「現状は絵に描いた餅だ」と厳しく指摘した。

日本の安全は脅かされているのか(写真はイメージ)
日本の安全は脅かされているのか(写真はイメージ)

   さら、政府・与党は国民に「痛み」を要求しながら、自らの「痛み」から逃げているではないか、と糾弾するのは東京新聞社説(12月15日付)「『軍拡増税』論議 議員特権は手付かずか」だ。

《岸田文雄首相が防衛力強化のための財源として増税を求める意図を「今を生きる国民が自らの責任として、その重みを背負って対応すべきだ」と説明した。ならば問う。国民に新たな負担を求める政治家は痛みを分かち合い、その責任を果たしているのか、と。
国会議員の特権や高額給与を温存し、国民に責任と負担増を押し付けるとは、理解に苦しむ。特権の代表格は、国会議員歳費とは別に非課税で毎月100万円が支給されている調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)だ。使途の報告や領収書提出の義務はなく、事実上何にでも使える。》

   さらにこう続ける。

《税金から支払われる旧文通費は昨年秋の臨時国会で与野党が見直しに合意したが、実現したのは名称変更と日割り支給にとどまる。12月10日閉幕の臨時国会でも使途公開は実現せず、抜本的な是正策は3国会連続で先送りされた。
野党は使途公開や未使用分の返金を義務付ける法案を提出したが、与党は審議にすら応じず、首相が議論を促すこともなかった。必要経費は実費精算という社会常識を無視し続ける与党に、国民に負担増を求める資格があるのか。》

   そして、東京新聞も「国民に信を問え」とこう訴えるのだった。

《そもそも与党は直近の衆参両院選挙で、防衛力強化のための増税を公約していない。補欠選挙を除き国政選挙は当面予定されておらず、国民に不人気な政策でも進められると政府与党が考えているなら、思い違いも甚だしい。
「軍拡増税」の是非は敵基地攻撃能力(反撃能力)保有など安全保障政策の転換と合わせ、主権者たる国民に信を問うべきであり、それが議会制民主主義の手順だ。その前に政治家が旧文通費などの特権を手放し、痛みを分かち合う姿勢を示すのは当然である。》
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