企業への期待、「就職活動スケジュール過密化」の改善を
今回の調査結果について、就職みらい研究所の栗田貴祥所長は、こうコメントをしている。
「就職先を確定する際に決め手となった項目を聞くと、『自らの成長が期待できる』が最も高い結果となりましたが、前年に比べ、2番目に高い『福利厚生や手当が充実している』との差が縮まりました。また、最も決め手となった項目についても、最も高い『自らの成長が期待できる』と、2番目に高い『希望する地域で働ける』との差が前年に比べ小さくなりました。成長への期待が最も高い傾向は変わりませんが、学生自身にとっての働きやすさを重視する傾向が強まっていることがうかがえます」
と分析。また、就職活動で苦労したことに関連して、
「学生からは、エントリーシート提出の締め切り集中や、企業によって異なる項目への対応が大変だったという声や、面接で対面・Webの両方への対応に関する苦労の声が挙がりました。就職活動スケジュールの過密化や、面接実施方法のハイブリッド化への適応に関する課題、学生が得たい情報と企業が発信している情報にギャップがある様子がうかがえます。企業の皆さまには、採用活動の振り返りの参考にしていただければと思います」
と企業に対して、選考方法の改善を求めている。
調査は2022年12月1日~5日、2023年卒業予定の大学生・大学院生で、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した大学生6254人、大学院生1372人の合計7626人を対象に行なった。(福田和郎)