ビジネスチャットで使える絵文字、好感度2位は「親指立てた『いいね』」 では、好感度「最強の絵文字」と「最悪の絵文字」は?

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   メールや電話に比べ、カジュアルにコミュニケーションを取れることが魅力のビジネスチャット。絵文字や構文の使い方に悩んでいる人も少なくないのでは。

   そんななか、グループウェアなどICTツールを開発している「ネオジャパン」(神奈川県横浜市)が立ち上げた「NEOビズコミ研究所」が2022年12月1日、絵文字や構文の好感度を調べた「第2回チャットツールに関する実態調査」を発表した。

   どんなシチュエーションでも、誰に送っても、好感度ナンバーワンの「最強の絵文字」があるという。それはいったい何?

  • ビジネスチャットはいろんな世代とやりとりするので、ご注意を(写真はイメージ)
    ビジネスチャットはいろんな世代とやりとりするので、ご注意を(写真はイメージ)
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あらゆる世代に支持率1位「にこにこ顔の絵文字」

   「NEOビズコミ研究所」の調査は、2022年8月~9月に業務でチャットツールを使う20代~50代のデスクワーカー400人を対象にインターネットでアンケートした。

   まず、上司・先輩から部下・後輩への「ありがとう」のメッセージで「好感が持てる絵文字」は、1位「にこにこ顔の絵文字」。2位「親指を立てた『いいね』の絵文字」、3位「お辞儀する人の絵文字」という結果になった【図表1】。

(図表1)ビジネスチャットで上司や先輩からもらって「好感が持てる」ありがとうは?(NEOビズコミ研究所の作成)
(図表1)ビジネスチャットで上司や先輩からもらって「好感が持てる」ありがとうは?(NEOビズコミ研究所の作成)

   特に「にこにこ顔の絵文字」は、若手からベテランまで、あらゆる世代に支持率が高く、「最強の絵文字」であることが判明した。部下や後半に感謝の念を伝えるときは、この絵文字を使っておけば間違いなさそうだ。

   逆に、部下・後輩から上司・先輩への頼みごとの際の「よろしくお願いします」のメッセージで「好感が持てる絵文字」を聞くと、こちらも1位は「にこにこ顔の絵文字」だった。2位は「お辞儀する人の絵文字」、3位は「大笑いの絵文字」という結果になった【図表2】。「にこにこ顔の絵文字」は万能の絵文字と言えそうだ。

(図表2)ビジネスチャットで部下や後輩からもらって「好感が持てる」よろしくお願いしますは?(NEOビズコミ研究所の作成)
(図表2)ビジネスチャットで部下や後輩からもらって「好感が持てる」よろしくお願いしますは?(NEOビズコミ研究所の作成)

   一方、「不快に感じる」絵文字はどうか。上司・先輩から部下・後輩への「ありがとう」のメッセージで「不快に感じる絵文字」を聞くと、1位「目がハートの笑顔絵文字」、2位「サングラスをかけた絵文字」、3位「泣き笑いの絵文字」という結果になった【図表3】。

(図表3)ビジネスチャットで上司や先輩からもらって「不快に感じる」ありがとうは?(NEOビズコミ研究所の作成)
(図表3)ビジネスチャットで上司や先輩からもらって「不快に感じる」ありがとうは?(NEOビズコミ研究所の作成)

   ハートは情熱的な感情を表現できる一方、受け止めるほうとしては「よこしまな気持ち」や「いやらしさ」を感じてしまうのかもしれない。特に相手が女性の場合は、ハラスメント案件になるリスクもある。夫婦間や恋人同士に限ったほうがよさそうだ。

   部下・後輩から上司・先輩への頼みごとの際の「よろしくお願いします」のメッセージで「不快に感じる絵文字」を聞いても、同じ順番になった【図表4】。やはり、この3つの絵文字はビジネスの場では禁物だろう。

(図表4)ビジネスチャットで部下や後輩からもらって「不快に感じる」よろしくお願いしますは?(NEOビズコミ研究所の作成)
(図表4)ビジネスチャットで部下や後輩からもらって「不快に感じる」よろしくお願いしますは?(NEOビズコミ研究所の作成)

ベテラン世代に「よろしくお願いします!!」が失礼な理由

   さて、ビジネスチャットは、Eメールと比較して短文でコミュニケーションが成立するのが魅力だ。絵文字に頼らず地の文で思いを伝える場合、どんなテキストの好感度が高いのか。こちらも「ありがとう」と「よろしくお願いします」の双方で調査した。

   上司や先輩からの「ありがとう」で「好感が持てるテキスト表現」は、世代を問わず1位になったのは「ありがとう!!」で、2位「ありがとう」、3位「ありがとう。」という結果に。ビックリマークを2つ付けた「ありがとう!!」は全力で感謝している気持ちが部下・後輩の心を打つようだ。

   一方、部下・後輩からの「よろしくお願いします」では、受け取る側の世代の差がでた。40~50代のベテラン世代は、1位「よろしくお願いします」、2位「よろしくお願いします。」、3位「よろしくお願いします!!」と、文末に何もつけないシンプルさが好評だった。

不快な絵文字に困り顔の女性(写真はイメージ)
不快な絵文字に困り顔の女性(写真はイメージ)

   しかし、20~30代の若手世代は1位「よろしくお願いします!!」、2位「よろしくお願いします。」、3位「よろしくお願いします」と、ベテラン世代とは真逆の結果に。若手は前のめりの印象を好む傾向がうかがえるが、部下・後輩から上司・先輩へという前提があるので、ベテラン世代はビックリマークに眉をひそめる可能性に配慮したほうがいいだろう。

   最後に、「チャットツールでのやりとりで『世代間ギャップ』を感じることはあるか」と聞くと、「とても感じる」(11.0%)と「やや感じる」(35.3%)を合わせて、全体の約半数(46.3%)の人が「感じる」と答えた。この傾向は20代から50代まであまり差がなく、性別でみると女性よりも男性のほうが世代間ギャップを感じる割合が高かった。

「『了解』を『りょ』と送って来る世代についていけない」の声

最強の絵文字は「ニコニコ顔」です(写真はイメージ)
最強の絵文字は「ニコニコ顔」です(写真はイメージ)

   では、どういうところにギャップを感じているか。フリーコメントを見ると――。

【ベテラン世代より】

「上司からの返信や、時間をかけてやってもらったことに対しても、『いいね』のみで済ませているのを見ると、自分はできないと思う」(40代女性)
「ら抜き言葉にイラつく」(40代女性)
「ワンチャンなど、普段あまり使わない言葉が頻繁に出てくる」(40代男性)
「『りょ』などの略式(了解の意味)にはついていけない」(50代男性)
「略語が社会人の常識からかけ離れている」(50代女性)
「仕事上の立場を超えて、馴れ馴れしくコミュニケーションをとってくる」(40代男性)
「上司からの返信や、時間をかけてやってもらったことに対しても、『いいね』のみで済ませているのを見ると、自分はできないと思う」(40代女性)
ビジネスチャット、世代間のギャップとは?(写真はイメージ)
ビジネスチャット、世代間のギャップとは?(写真はイメージ)

【若手世代より】

「毎回『お疲れ様です』というところ」(20代男性)
「年上世代の内輪ノリ」(20代男性)
「上の世代は絵文字で会話をしようとする」(20代女性)
「『あれ、知らない?そっか、若いもんね』とよく言われる」(20代女性)
「『!!』が色つきのとき」(20代女性)
「内容が寒い(30代男性)
「顔文字の使い方や、使うタイミングが古臭い」(30代女性)
「おじさんはチャットを使わないで電話してくる。チャットの文章が超長文で読む気が失せる」(30代女性)

   ベテランと若手、日々それぞれ苦労しながらビジネスチャットに向かい合っている姿が浮かんでくる。(福田和郎)

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