テレ東流「弱者」の発想術...弱点をメリットに変えるには?

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メリットという「宝物」は、デメリットの陰にある!

   ところで、テレビ東京が学生にウケている理由として、テレビ東京の「コンパクトなサイズ感」が、時代にフィットしてきた、と考えている。ここで、テレビ東京の6つの弱点を挙げている。

1 開局が他局より遅い
2 ネット(系列)局が最少である
3 社員数が他局より少ない
4 資産が他局より少ない
5 視聴率が他局より低い
6 放送から得る収入が他局より少ない

   これらの弱点をどうプラスに変えていったのか、個別に説明している。

   たとえば、開局は遅いが、「残りものには、福がある」と発想を転換。ニッチな分野を開拓した。「子ども相手」としか思われていなかった「アニメ」、年寄りコア層だけのものとされていた「演歌」、普通のバラエティー番組より格下と考えられていた「旅」や「グルメ」といったジャンルだ。独自の切り口を考える、クリエイティブな人材が育ったという。

   系列は6局と少ないが、6局分のCM料金だけで、全国の約7割の世帯にCMが流せるのは、スポンサーにとってのメリットになる。非常に効率的で、安上がりになるからだ。また、系列局がない33府県エリアの地方局に番組を売る、というビジネスが確立できた。

   テレビ東京には、企画を出すうえでの年功序列はないという。そうした土壌の中で、田淵さんは「秘境ドキュメンタリー」というニッチな分野の開拓が出来た、と振り返っている。

   こうしたことを踏まえ、メリットという「宝物」は、デメリットの陰に常に存在していると説く。

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