ウォール街また衝撃!「景気後退やむなし!」パウエル議長、高金利長期化宣言に株価下落...エコノミストが指摘「次の注目は世界経済の悪化」

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世界的な景気悪化のリスクは和らいでいるのか?

「ゼロコロナ」緩和でコロナの感染が急拡大する中国・北京市の天安門広場
「ゼロコロナ」緩和でコロナの感染が急拡大する中国・北京市の天安門広場

   それほど米国の景気後退、さらには世界経済の悪化は深刻なのだろうか。

   「いや、そのリスクは和らぎつつある」と指摘するのは、野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏だ。

   石黒氏はリポート「今年最後のビッグイベントのFOMCを通過~和らぎつつある3つのリスク~」のなかで、今年の世界経済の3つリスクを取りあげた。

   それは、(1)米インフレと利上げ加速、(2)信用不安、そして(3)世界的な景気悪化、である。今年はこの3つのリスク要因が顕在化したこともあり、市場は波乱の動きとなった、とした。しかし、この3つのリスクは和らぎつつあるという指摘だ。

   まず、(1)の米国の利上げは、2023年まで継続(追加で0.75%)するが、2023年には利下げを見込める。(2)の信用不安については、いわゆる「ジャンク債」といわれる、利回りが高く信用格付が低い「ハイイールド債スプレッド(利回り格差)」の動きに注目した。

「信用リスクを示すとされる米ハイイールド債スプレッドは過去の市場混乱局面と比べ低く抑えられており、来年前半にもFRBが利上げを停止するとの前提に立てば、信用リスクの一段の拡大は回避されそうです」

   (3)の世界的な景気悪化については、「OECD(経済協力開発機構)景気先行指数」に注目した。OECDが加盟国のGDP(国内総生産)情報から作成する景気先行指数で、景気動向の早期シグナルとして、先行きを予想する際に利用される。

   石黒氏は、世界経済を動かす米国と中国の「OECD景気先行指数」のグラフ【図表】を示した。グラフを見ると、両国とも今年7月以降、やや上向いている。石黒氏はこう結んだ。

(図表)米国と中国のOECD景気先行指数前月差(野村アセットマネジメントの作成)
(図表)米国と中国のOECD景気先行指数前月差(野村アセットマネジメントの作成)
「米中のOECD景気先行指数をみると、悪化度合いが弱まりつつあるなど、世界景気の先行きに変化もみられます【図表】。中国は足元でゼロコロナ政策の大幅見直しを行なっており、来年の世界経済を支える可能性もあります。3つのリスクが和らぐことで、市場は落ち着きを取り戻していきそうです」

(福田和郎)

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