受取人氏名が不明でも送れる「特別あて所配達郵便」を使って、「訪問によらない営業活動」
今回の事案は、NHKの受信料徴収の「郵便作戦」を外部業者に委託したことが「郵便法違反」に問われて問題になったわけだが、実は現在新たに、日本郵便のサービスを使った、より大掛かりな「郵便作戦」の計画が進行中なのだ。
日本郵便では、今年(2022年)6月から、「特別あて所配達郵便」を本格的に始めている。これは受取人の氏名が不明でも、あるいは実際に住んでいるのか不明でも、受取人の住所がわかっていれば郵便物を配達できるサービスだ【図表】。
これを利用すれば、受信料の徴収についてNHKが推進する「訪問によらない営業」ができるというわけで、昨年(2021年)6月から、NHKが日本郵便と合同で都心部の大規模郵便局管内から試験導入している。この計画を最初に発案して、NHKに活用するよう指示したのは、NHKと日本郵便をともに管轄する立場だった武田良太元総務大臣。
J-CASTニュース会社ウォッチでは、2021年6月4日付の記事「『誰でもいいから受信料を払えってか!』NHKの『宛て名なし郵便』バラマキ作戦に怒りの声」でその経緯を紹介した。武田氏にすれば、NHKの受信料徴収の合理化と、郵政グループであるかんぽ生命の不正事件が続発した日本郵便のイメージアップの一石二鳥の妙案だった。
いずれにしろ、今後、NHKからの「受信料督促」の郵便物が無差別に届くことになりそうだ。