強硬姿勢貫く岸田首相...防衛力強化で自身の指導力アピール?
首相は防衛力強化を、自身の指導力をアピールする場として利用しようとした節がある。増額規模や財源について、立て続けに言及するなど議論をリード。増税を含む財源の確保策についても年内に結論を出すことにこだわるなど、ふだんの岸田流とは明らかに違う強硬姿勢を何度も示してきた。
ただ、それは指導力とイコールではない。目立ったのは岸田首相のリーダーシップではなく、あまりに拙速に議論を進める焦りにも似た姿だ。
「もっとちょっと早く決めてもらえれば、ここまで短期間にならなかった」
岸田首相の指示で増税議論を担うことになった自民党税制調査会の宮沢洋一会長は12月13日、財源確保を要請する鈴木俊一財務相と浜田靖一防衛相にこう苦言を呈した。
宮沢氏は首相のいとこに当たる。身内からも拙速さをたしなめられたかっこうだ。
岸田政権の空回りが続く。(ジャーナリスト 白井俊郎)