「ちょっと一杯、行こうか」。勤め帰りに若い部下を誘おうとしているアナタ、Z世代の若者が時間に換算すると、「ちょっと一杯」ってどれくらいだと考えているか、わかりますか?
シチズン時計(東京都)が2022年11月28日に発表した「働くZ世代の『時感』意識」によると、最も多かったのはたった「1時間」ですぞ!
Z世代の上司や先輩の方々、過度に長時間の飲みニケーションにはご注意!
「電話の折り返し」は10分以内、「一服する」は10分ほど
シチズン時計の調査は2022年11月1、2日、全国の18歳~26歳(Z世代)の給与所得者400人(男女各200人)を対象にインターネットでアンケートした。
仕事関係の時間感覚では、勤め帰りの「ちょっと一杯」はどのくらいの時間?と聞くと、「1時間」(35.1%)が最も多く、次いで2時間(15.0%)、1時間30分(14.3%)と続く。ちなみに、「1時間未満」(5分~50分)は合わせて3割(32.4%)となる。平均時間は、1時間6分だった【図表1】。
2013年に20代~50代を対象に行った同様の調査では、20代の平均時間は1時間33分だったから、この10年間で、約30分短くなったことになる。コロナ禍に伴い宴席の機会が少なくなった背景もあるが、上司がZ世代を「ちょっと一杯、行くかい?」と誘う場合、1時間が目安と考えたほうがよさそうだ。
仕事の面ではどうなのか。ビジネスにおける電話の対応では、電話の折り返し(折り返しお電話します)は「10分後」(25.5%)、「5分後」(21.8%)が一般的な感覚のようで、遅くとも10分以内に折り返すのがZ世代の常識のようだ【図表2】。
また、仕事中の気分転換でよく使う「一服する」は「10分」(46.3%)が最も多く、次いで5分(25.0%)だった。10分程度が目安のようだ【図表3】。
「なるはや」は幅が大きいので、使い方に注意を
調査では、ビジネスシーンで使われる言葉についても聞いている。よく口にする「さくっと終わらせます」の「さくっと」には、「軽めに」「テキパキと」などの意味があるが、どのくらいの時間なのか――。その結果、「5分」(32.3%)が一番多く、次いで「10分」(25.0%)、「30分」(17.3%)の順となった。なかには「1時間」(8.3%)という人もおり、人によって幅が大きいが、気持ちよく終わらせるには30分以内が目安のようだ【図表4】。
また、「なるはやでお願いします」の「なるはや」(なるべく早く)は、「10分」(24.0%)と「5分」(21.5%)に集中しているが、「30分」(20.0%)と考える人も結構多い。だから、この言葉を使って仕事を頼むときは注意が必要だろう【図表5】。
上司の立場から若い部下たちを呼んで「ちょっと打ち合わせ」をしたい時も多いだろう。その場合の時間の目安は――。「30分」(31.3%)が最多で、10分(25.5%)、20分(18.5%)の順となった。平均は約27分だから、30分以内で切り上げたいところだ【図表6】。ちなみに、「じっくり打ち合わせ」になると、半数近くが「1時間」(48.0%)と回答。平均時間は1時間13分だった。
この調査では、「十年一昔」の「一昔」も、Z世代では「5~6年」が一般的で、全体的に上司・先輩世代より時間感覚が短いようだ。というわけで、長々とお説教をしたりすると嫌われるで、くれぐれもご注意を。(福田和郎)