潰瘍性大腸炎治療薬「エンティビオ」、米国で収益伸ばす
武田は2014年に、英国に本社を置く製薬大手グラクソ・スミスクライン幹部でフランス人のクリストフ・ウェバー氏を社長に招き、世界最大市場の米国強化などのグローバル化を進めた。
2019年には6兆2000億円という日本企業最高額で、アイルランドの製薬会社シャイアーを買収し、この当時は売上高で世界トップ10入りを果たした。
現状、潰瘍性大腸炎などの消化器系疾患、遺伝性血管性浮腫などの希少疾患、血漿分画製剤(免疫疾患)、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)の5領域とワクチンに注力している。
足元の業績は、潰瘍性大腸炎治療薬「エンティビオ」の収益が米国で伸びていることなどから好調で、10月に2023年3月期連結決算の業績予想の最終利益などを上方修正している。
そうした中で約10年の研究成果が実りつつあるデング熱ワクチンが、武田の収益に貢献することに投資家の注目が改めて集まっている。(ジャーナリスト 済田経夫)