上場企業・社長数で他大学を圧倒!...ダイヤモンド「最強学閥 慶應三田会」、東洋経済「株の道場」、エコノミスト「日本経済総予測2023」を特集

「勝ち組」業界で慶應閥の躍進

   「週刊ダイヤモンド」(2022年12月17日号)の特集は、「最強学閥 慶應三田会」。その人脈、金、序列を総まとめしている。

   上場企業社長の数で、慶応義塾大学は他大学を圧倒している。卒業生が社長を務める上場企業327社の株式時価総額を足し合わせると78兆3000億円。これは、市場全体の時価総額の1割超を占める。

   ライバル・早稲田大学出身の社長の上場企業は247社で、時価総額の合計は60兆円だから、日本の経済界で慶應は圧倒的な存在感を誇る、と指摘している。

   そのうえで、慶應出身の社長「全327人」を徹底評価した独自ランキングを作成。時価総額、従業員数、純利益、在任期間など7つの指標から評価した。

   1位はトヨタ自動車の豊田章男氏、2位は第一生命HDの稲垣精二氏、3位は三井物産の堀健一氏。ユニークなのは、三井物産。それまで同社の歴代社長は、東京大学など国立大学のみだった。ところが、堀氏は慶應卒というだけでなく、私立大学卒としても同社では初の社長となった。

   金融や商社、コンサルティングといった「勝ち組」業界でも慶應閥の躍進が著しいという。三菱UFJ銀行の役員数では、慶應出身者は17人と東大と並び最多だ。7大商社の役員数でも慶應が58人で、東大の49人に水をあけ、最大学閥となった。

   慶応義塾の最高幹部である評議員が、今秋、4年ぶりに改選された。面白かったのは、OBにとって、最高のステータスである評議員選挙の裏側を明かしている。

   財閥系の名門企業やオーナー企業の大物経営者が占めてきた評議員に、楽天グループや米マッキンゼー・アンド・カンパニーの出身者が食い込んだという。楽天の小林正忠常務執行役員チーフウェルビーイングオフィサーと、ぐるなびの杉原章郎社長は楽天の創業メンバーだ。両氏は総合政策学部出身の初の評議員で、塾内序列の変化を示しているとも。

   今回新たに評議員に就いた20人のうち6人が女性。新興勢や女性の起用は、伊藤公平塾長の強い意向とされ、グローバル化など改革を進めるための布石と見られる。

   ライバルの早稲田大学も入試改革を進め、難易度では慶應に競り勝つようになったが、働く現役世代の力は慶應の「一人勝ち」という状況が浮き彫りになった。

姉妹サイト