「ひろぎんの変」は地銀の基幹システム、クラウド化の流れ...システム投資の負担増耐えきれず 「1県1行」の再編を後押しするか?

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福岡中央銀行、ふくおかFG傘下でデジタル化を促進

   システム費用の削減は、広島銀行に限らず、あらゆる地銀にとって優先度の高い課題だ。

   じつは、広島銀行がFlight21を抜けることを発表した同日、ふくおかFGは福岡市に本店を置く第二地方銀行(旧相互銀行)の福岡中央銀行と経営統合すると発表した。2023年10月1日に株式交換を実施して、福岡中央銀行を完全子会社化する。

   福岡中央銀行は総資産5700億円と、規模が小さい。経営基盤の強化が長年の課題で、現在、福岡銀行が14.4%を出資する筆頭株主。歴代頭取も、福岡銀行の出身者が務めている。子会社化によって、強みの中小企業向け融資をさらに伸ばすという。

   福岡中央銀行は、九州地区の第二地銀6行(福岡中央銀行と佐賀共栄銀行、長崎銀行、豊和銀行=大分市、宮崎太陽銀行、南日本銀行=鹿児島市でスタート)で共同運営するNTTデータ系の勘定系システム「BeSTAcloud」を、2019年1月から稼働している。

   子会社化に向けては、システム統合にコスト負担が大きいことを理由に、当面は「BeSTAcloud」をそのまま使う。ただ、8%台にのぼる同行のOHR改善は喫緊の課題。その解決、かつ後手に回っているデジタル化への対応で、ふくおかFGの力を借りる。

   全国の地銀では、低金利や人口減少、さらには新型コロナウイルスの感染拡大など、経営環境が厳しさを増している。多額のコストがかかるシステム開発や運営を共同化して経営基盤を強化しようという動きは、自然な流れだろう。

   システム投資はいまや、金融庁が唱える「1県1行」の再編を後押しする、かっこうの材料といえそうだ。

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