「ひろぎんの変」は地銀の基幹システム、クラウド化の流れ...システム投資の負担増耐えきれず 「1県1行」の再編を後押しするか?

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揺れるシステム共同化の枠組み

   今回の広島銀行の「決断」を、地方銀行のあいだでは「ひろぎんショック」「ひろぎんの変」と、衝撃をもって受けとめられている。

   地銀には、10を超すシステム共同化の枠組みがある。

   それを支えるベンダーも、日本IBMやNTTデータのほか、日立製作所、富士通、日本ユニシス、NECが存在している。なかでも、日本IBM系は、NTTデータ系との二大勢力を構成する。

   たとえば日本IBMには、ふくおかFGのFlight21のほか、千葉銀行や第四北越銀行(新潟市)、中国銀行(岡山市)、武蔵野銀行(さいたま市)など10行が参加する「TSUBASAアライアンス」や三菱UFJ銀行の基幹システムをベースとする「Chance」には、めぶきフィナンシャルグループ(常陽銀行、足利銀行)や十六銀行(岐阜市)、百十四銀行(香川県高松市)、山口フィナンシャルグループ(山口県下関市)などが参加。さらには、八十二銀行(長野市)や山形銀行、阿波銀行(徳島市)、宮崎銀行などが参加する「じゅうだん会」を組織し、結束が固いとされる。

   そんな日本IBM系に、ほころびが生じたのだ。

   広島銀行がFlight21からMEJARに乗り換えた理由には、コスト削減がある。ふくおかFGが周辺地銀を巻き込んで肥大化するなか、「(両行の)バランスが崩れたこともあったのではないか」(地銀関係者)と見る向きもある。

   地銀にとって、収益環境が悪化する中でもシステム投資は進めていかなければならない最重要課題の一つではある。だが、OHR(本業の粗利益に対する経費の割合)改善のためのコスト削減もまた、「待ったなし」の状況だ。

   前出の地銀関係者は「コスト削減は必要だが、システム開発にはスピードが求められている。やらないわけにはいかないので、(広島銀行のような選択は)他人事ではない」と、頭を抱える。

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