「テレワークうつ」の正体は承認不足だった。

日本特有の「見せびらかし」文化...「偉い」から「すごい」「さすが」への変化を

   とりわけ管理職の場合、その地位によって「尊敬の欲求」も満たせる。ここから、「見せびらかし」文化の功罪を論じている。

   最後に、テレワークも端境期を乗り切れば、これまでよりはるかに大きな「承認」が得られる可能性もあり、日本人の働き方を変えるチャンスにもなる、と考えている。

   出社勤務とテレワークとを併用した「ハイブリッド型」が定着する可能性が高い。さらに副業解禁と相まって、会社以外の場で「個」が活躍できる場が広がる、と予想する。

   それは「起業」という形を取るかもしれない。起業の原動力もまた強い承認欲求であるという。コワーキングスペースが承認の場にもなりうる。

   日本の「みせびらかし」文化の中身も「偉い」から「すごい」「さすが」へと変わらなければならない。

   フラットで開かれたコミュニティが公私ともに重要な役割を果たすようになり、そこで各自が自分の誇れるものを堂々と披露し、承認欲求を満たせばよい、と結んでいる。

   高い次元で働きがいとモチベーションのサイクルが回り始め、日本社会の活力向上、経済の浮揚にもつながると期待している。(渡辺淳悦)

「日本人の承認欲求」
太田肇著
836円(税込)

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