「テレワークうつ」の正体は承認不足だった。

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承認は自己効力感を高めるか?...実証研究の結果

   承認が自己効力感を高めることを裏付けるエビデンスがあるそうだ。太田さんは2009年から2010年にかけて、複数の企業で従業員を対象に、「承認がもたらす効果」について、実証研究を行った。

   2~3か月間、上司から部下を意識的に承認――すなわち、ほめたり認めたりしてもらい、承認された部下と承認されなかった部下の間にどのような差が表れるかを見た。すると、上司から承認された部下は、承認されなかった部下に比べて、自己効力感が高くなることが統計的に証明されたのだ。

   さらに、自己効力感が高まると、目標に対して前向きに挑戦し、成績も上がることも別の調査で裏付けられたという。

   承認欲求とテレワークとの関係について、以下のように述べている。

「テレワークを望む背景には、自己の内面にある『承認欲求の呪縛』から逃れたいという意識が働いている可能性がある。しかし、かりに以前からテレワークが制度化されていても自分の意思でそれを選択できたとしても、自らテレワークを始めることは、周りが残っていても先に帰ったり、上司がよい顔をしなくても休暇を取ったりするのと同じように難しい。(中略)その意味でも、コロナ禍による半強制的なテレワークの実施は好都合だったといえよう」

   ところがテレワークを続けていくうちに、だんだんと職場で味わったストレスの記憶が薄れ、「承認欲求の呪縛」が解かれてくる。一方で、「認められたい」という積極的な承認願望が大きくなる。

   欧米の会社では日本ほどテレワークによる弊害は報告されていないことから、集団主義的で仕事の分担が明確になっていない日本の会社特有の問題であると分析している。

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