きょうは40代のGさんがいらっしゃっています。
「海外のリストラの波を見ていると、私たち日本人にも忍び寄ってくるんじゃないかと、人ごとじゃないですね。会社でも早期優遇退職制度や非デジタル人材に対してのDX教育としてリスキリングが導入されています。私も非デジタル人材なので、これからリクキリング研修を受けることになっています。これまでデジタル分野にふれずに20年以上も働いてきたのでついていけるか不安です。同僚の中には、早期優遇退職制度を利用して別の道に進む人もいます」
会社に残るのも、辞めるのも辛い!?
昔は大企業に入れば「一生安泰」なんていわれていましたが、現在は、どの企業に勤めていたとしても、「安心」という二文字はなくなってしまいましたよね。
定年が55歳、60歳と伸び......そして、2021年の高齢者雇用安定法の改正によって、企業に「定年制の廃止」が努力義務に組み込まれたのです。
年金制度の受給資格もだんだん後ろ倒しになっていくので、私たちも長く働かないといけないですし、企業も長く雇わなければならなくなりました。
企業の支出を占める割合で大きいのが人件費なので、長く従業員が勤め続けるとなると、企業も辛いといえば辛いはずです。そのため、早期優遇退職制度を使って退職者を募ったり、リクキリングを導入して人材を強くしたりと動いているのです。
あまりプラスに働かない人の「捉え方」とは
私たちも早期退職制度で会社を辞めるか、リスキリングで会社に残るかの選択肢を与えられたら、どちらも辛いと感じる人もいるかもしれませんよね。
一方、リストラのための策だったとしても、捉え方を変えてプラスに変換している人もいると思います。40代、50代からだとしても、あと少なくとも25年は働かないといけないので、退職金の上乗せやリスキリングの支援があることをチャンスだと捉えているのです。
DX推進やデジタル競争力の強化に向けて、企業自体も力を入れています。従業員の中には、時代の変化を読みながら、必要なスキルを高める学習を個人で行なっている人もいれば、そうでない人もいるでしょう。
自分でデジタルスキルを高めてこなかった人にとっては、リスキリング支援があることはプラスな状態ではないでしょうか。会社のお金で研修が受けられてスキルを高められてしまうって、ありがたくないですか?
しかしながら、人によっては「忙しいのに時間を使って、よく分からない難しい研修を受けさせられる。今からデジタルなんて頭に入らない」「早期退職制度を使って、少しでも退職金を上乗せしてもらって、転職した方がマシだったんじゃないか」と考える人もいるかもしれないですよね。
残念ながら、こんな考えでリスキリング研修を受けても、あまりプラスに働かないですし、身につかないでしょう。
時代の流れに乗ろう! そして、自分の武器に!
一方、「会社のお金でスキルが高められるなんてラッキー。自分のためになるし、それを使って仕事にいかしていこう」と思った人が活躍の場を広げることでしょう。実際、身につけた人は給与にも反映されている企業もあるそうです。同じような考え方で、早期退職制度をうまく次のステップに活かしている人もいそうですよね。
今は、バブル世代の人たちにフォーカスしてこういった動きが目立ますが、これからの時代、あらゆる世代の人にも起こりうる変化です。いかなる待遇の変化や会社の制度改革が起こった時にも、その出来事をどう捉えられるかどうかも、重要なスキルなのかもしれませんね。
Gさん不安な気持ちはわかりますが、次のステップに覚悟を決めてしまいましょう。リスキリング研修に真面目に向き合って、デジタルスキルを自分の武器に!(ひろ子ママ)