「出世にも良さがある。見える景色が変わってくる」
――妻の立場からすると、夫に育休を取ってもらうととても助かるが、夫の出世に悪影響を与えるのではないか、と心配する気持ちも非常に強いのですね。逆に言うと、それだけ夫の昇進を望む妻が多いというわけですか。
川上敬太郎さん「フリーコメントにも、『昇進には必ず響くに違いない』『在宅勤務という形で復職できたのは幸いです。しかし、今後のキャリアが心配です』『それよりも、もっと稼ぐことに集中して欲しい』などの声が見られました。
これらの調査結果を見ると、女性に偏っている育児に男性がもっと携わることが求められている一方、世の夫たちは基本的に仕事で活躍する姿を期待されているのだと感じます」
――しかし、回答者の多くが、「ヒラ」社員のまま、好きな投資に生きがいを見出し、2000万円も稼ぐ投稿者の生き方に共感を寄せています。『収入が十分あれば肩書きなんかどうでもいい』『肩書きは家では役に立たない』『肩書きがものを言ったのは昭和まで』といった意見が多く聞かれました。そして、投稿者の生き方を『ステキだ』という人も多いです。
川上敬太郎さん「まず、投稿者さんご自身が現状に満足されているか否かが大事なのではないでしょうか。一方で、当然、出世には出世の良さもあるのだと思います。役職が上がると責任が重くなりますが、得られる情報は増え、給与も上がり、世間から見られる目が変わったりもします。それは、仕事においても日常生活においても、見える景色が変わることを意味します。
しかしながら、出世に翻弄されて自分を見失ってしまうようなこともあります。会社によっては、役職が上がるにつれて仕事に束縛される機会が増え、家族との時間が減ってしまうということもありえます。出世にも一長一短があるということです。
肩書きを気にする価値観の人もいれば、そういったものに縛られない投稿者さんをステキだと思う人もいるでしょう。でも、見方は人それぞれ異なります。そこに決められた正解などないのではないでしょうか。投稿者さんご自身にとって、いまの姿がありたい自分なのであれば、それが一番大切なことなのではないかと感じます」