「不動産投資でいくら儲けようが関係ない。それはそれ、あれはあれ」の声
一方で、「夫の出世を望む奥さんの気持ちもわかる」という妻への同情も、けっこう多かった。
「奥様のお父様は大企業の取締役寸前でしょ? 年収も多かっただろうし、お歳暮お中元もバンバン来ただろうし、豪邸で豊かな生活していたのではないですか? それに引き換え、と奥様の立場なら思いますよ。
不動産投資でいくら儲けようが関係ないのだと思います。それはそれ、あれはあれ、なんですよ。(自身の夫も投稿者と似たような学歴で)定年間近ですが、平社員のままです。貯蓄能力はあり、金融資産を増やすのは得意のようです。
私の場合はですが、働いていた時は女性の中で一番早い出世記録を更新し、20代で役職をもらっていたので、いつまでも出世しない夫を歯がゆく思っていました。年収も頭打ちで結婚後はどんどん減っていきました」
「人の自尊心や幸福感がカネだけではないことは、あなた自身が不動産賃収で十分な暮らしができているにもかかわらず『妻から認められること』に大きな価値を見出していることからもわかるのではないですか。
同じように妻は夫に『困らないだけの収入を得ること』だけではなく、『きちんとした会社で相応に出世して認められること』を価値として求めているのだと思います。不動産経営にももちろん才覚は必要でしょうし、いろいろと苦労もあるとは思いますが、世間的にはそれはいわゆる『不労所得』に過ぎず、自分の力で勝ち得たものとして尊敬を得ることはなかなか難しいでしょう」
「正直、夫の仕事なんて何しているかよくわからないから、給与が毎月ちゃんと振り込まれていたらどうでもいいです。でも、何やっているかわからないから役職で実感したいという人はいるかもね」
J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、年収2000万円稼いでも出世しないと妻から相手にされないと嘆く夫の投稿をめぐる論争について、働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。
――今回の50代男性の投稿と、回答者たちの多くの意見を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか。
川上敬太郎さん「投稿者さんの、『一番認められたい相手に認めてもらえないのは切ないです』という一言が印象に残りました。お金には困っていないと言えるほどの収入があり、周囲からは羨ましがられそうですが、悩まれている内容は妻に認めてもらいたいという素朴な思いのようです。 そんな純粋さが、回答者から投稿者さんに共感する声が多く集まる理由の一つなのではないかと感じました」
年収2000万円稼いでも出世しないと妻から相手にされないと嘆く夫からの投稿について、川上さんのアドバイスも熱を帯びました――。<「年収2000万円でも、出世しないとダメ?」妻の冷淡さ嘆く夫の投稿が賛否!「出世に汲々の人よりステキ」「カネではなく人間力の問題」...専門家に聞いた(2)>に続きます。
(福田和郎)