【「視界の違い」その(1)―時間軸】
視界の違いの一つ目は、「時間軸」でのとらえかたの違いです。
たとえば、営業担当の部下がいて、自分の営業成績が伸び悩んでいるとします。本人は、「今期の売上目標が達成できそうにない」と焦り、なんとか頑張ろうとしています。
そんな時に上司から「人手が足りないから、別のチームの仕事を兼務で頼む」といわれたら、どう感じるでしょうか? おそらく、「今は懸命に営業をやっている。なのに、どうしてこれ以上仕事を増やすのか!」と不満を募らせることでしょう。
ここで、かつての自分自身のことを思い返してみてください。
現場のプレーヤーだった頃は、日々の仕事に追われて、中長期視野で自分の経験の意味を実感できなかったでしょう。一方、長く経験を積んできた今は、当時の経験がどんな意味を持ち、自分の成長にどう影響したかを理解できるはずです。
経験を積んだ上司と現場で働く部下とでは、成長の「時間軸」の視野が異なるのです。