岸田政権が着々と進める「原発回帰」...半年も満たずに、原子力政策大転換 新増設・建て替えまで踏み込んだ「新政府方針」の是非

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新増設・リプレースにこだわる政府 背景に、技術の先細りへの懸念

   震災以降、政府は新増設・リプレース(建て替え)を「想定していない」との立場を堅持してきたが、経産省の「行動指針(案)」では次世代原発について、将来の脱炭素化のけん引役と位置づけ、「開発・建設を進めていく」と明記した。

   次世代原発については、J-CASTニュース 会社ウォッチ「政府期待の『革新軽水炉』...経産省、2030年代運転への『工程表』示す だが、『新増設せず』の従来方針と矛盾...原子力政策の見直し進むか?」(22年8月19日付)で詳報したように、さまざまな技術が候補に挙がっている。

   そのなかで、普通の水(軽水)を冷却材として使用する現在の「軽水炉」の改良型である「革新軽水炉(次世代革新炉)」が当面、実現性が高いとされる。

   新増設とはいっても、現実には、新たな立地地点を探すのはほぼ不可能だ。老朽化して廃炉になる原発のリプレース(建て替え)となると、同じ場所というわけにはいかないから、同じ敷地内での新設という形になる。

   新増設・リプレースにこだわるのには、技術の先細りへの懸念がある。

   国内では2009年運転開始の北海道電力の泊原発3号機以来、新設はなく、経験のある技術者が順次退職している。実際に建設を判断するのは電力会社であり、政府として建設推進の姿勢を明確にして、民間の動きを後押ししたいとの狙いがある。

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