十倉経団連会長「防衛費負担は広く、薄く、偏らず」
一方、経済界からも反発の動きが広がっている。日本経済団体連合会(経団連)の十倉雅和会長は12月8日夜、会合で同席した岸田首相に対し、「安全保障は国民が幅広く裨益(ひえき)する。(負担は)広く、薄く、偏らずというのが基本だ」と注文した。
日本商工会議所の小林健会頭も6日の会見で、「法人税の増税となれば、国内投資を冷ましてしまう。広く国民で負担するしかない」と語っている。
産経新聞主張(社説)「防衛費財源 歳出改革の徹底こそ先だ」(12月9日付)はこう説いた。
「まずは歳出削減の徹底など、歳出構造改革に取り組むことを優先すべきなのは当然である。そのうえで必要な費用を精査して国民に新たな負担を求めるのが筋であろう。安易な国債増発や増税は許されない。
与党内では法人税に対する段階的な増税案が浮上している。法人税を増税する場合、経営が厳しい中小・零細企業に配慮するなどのきめ細かな対応も求められる。
何よりも幅広い歳出項目に対して厳しくメスを入れ、無駄な予算の削減に取り組む必要がある。それでも不足する場合に具体的な増税を検討すべきである。政府・与党がそうした歳出削減の成果を示さなければ、増税に対して国民の理解は得られまい」