大地震への備え、できていますか? 全国各地に残る「過去の教訓」、防災取り組みの「未来への備え」知ろう もし被災したら...生活再建の手助けに「地震保険」大事

提供:一般社団法人 日本損害保険協会

   近い将来に発生が懸念される南海トラフ地震、首都直下地震......。大規模災害に対して、十分な備えはできているだろうか? もしかしたら、「自分ごと」としてとらえられている人は、それほど多くないのかもしれない。

   そこで、多くの人の防災意識を高めようと、啓発活動に力を入れているのが、日本損害保険協会(損保協会)だ。同協会では「災害への備え」をテーマにした番組(動画コンテンツ)制作に協力、情報発信に力を入れている。

   これを見ると、日本の各地では現在、過去の災害に学び、教訓として生かそうという防災取り組みが、着実に進んでいることがわかる。しかし一方で、こうした活動を知る機会は案外、少ないのではないだろうか。いまこそ、あらためて知っておきたい「備え」の大切さとは?――損保協会の防災取り組みに迫った。

  • 東日本大震災での自身の体験を語る女性(損保協会協力・BS日テレ制作「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」…「請戸小学校 震災の記憶」より)
    東日本大震災での自身の体験を語る女性(損保協会協力・BS日テレ制作「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」…「請戸小学校 震災の記憶」より)
  • 東日本大震災での自身の体験を語る女性(損保協会協力・BS日テレ制作「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」…「請戸小学校 震災の記憶」より)

「自分も被災するかもしれない。備えておこう」...行動を促すきっかけに

   損保協会が制作に協力した防災番組は、「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」(BS日テレ、2022年夏オンエア)。

   現在、損保協会のYouTubeチャンネルでは、日本各地の地域別に再編集した動画コンテンツ11本が公開されている(1本あたりは、5分程度)。損保協会 業務企画部 防災・安全グループの杓子尾駿(しゃくしお・しゅん)さんは、番組制作に協力したねらいや思いについて、次のように説明する。

「ひとたび自然災害が発生すると、多くの方の心身や財産に被害をもたらす恐れがあります。一方で、メディアで自然災害の被害状況が報道されると反響が大きいものの、『自分も被災するかもしれないので、備えておこう』という行動には至りづらいものです。
そして、『備えていたから被害が小さくなった』ことは、ニュースになりづらい側面もあります。そこで、各地域で実施されている好事例を周知することで、一人でも多く『備えよう』という気持ちをもって、行動してもらいたい、そんな思いがありました」

   それぞれの動画コンテンツでは、日本各地の防災取り組みを紹介し、「備え」の大切さを伝える。たとえば、「東北 請戸小学校 震災の記憶」では、東日本大震災で被害にあった、福島県浪江町の請戸(うけど)小学校が取り上げられている。

   海から約300mの場所に位置する請戸小は、津波により、2階の教室まで浸水したという。震災発生時、児童と教職員は約2キロ離れた大平山に走って避難している。現在、閉校となった請戸小の建物は、災害の教訓を未来に残す「震災遺構」として一般公開されている。

東日本大震災での自身の体験を語る女性(損保協会協力・BS日テレ制作「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」...「請戸小学校 震災の記憶」より)
東日本大震災での自身の体験を語る女性(損保協会協力・BS日テレ制作「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」...「請戸小学校 震災の記憶」より)

   動画では、当時は請戸小の6年生で、現在は成人した女性が登場する。自身の体験をもとに「語り部」としても活動する彼女がこう語る姿は、印象的だ。

「震災を知らない世代が増えていることは、身を持って実感し始めています。(語り部活動では、とくに子どもたちに向けて)自分たちに置き換えて考えてほしい、率先して避難できる子になってほしいという思いで、いつもお伝えしています」

「もし地震保険がなかったら、結婚も考えられなかった」

   私たちはこうした体験談から学びを深めるとともに、災害を想定した「備え」へのアクションを起こすことが大切だ。なかでも、被災後の生活再建につながる地震保険もまた、欠かせないポイントだろう。

   「地震保険で生活再建」という動画では、東日本大震災で、最大震度6弱、高さ10mの津波に見舞われた岩手県釜石市の男性が、自身の体験を語っている。本人によると、自身は高台に避難して難を逃れたものの、そこで自宅が津波に飲み込まれる様子を、呆然と見ていたという。

   その男性は「(自宅は残ったものの)車もダメになり、仕事道具も全部ダメになり、本当になにもない状態」だったが、その後、生活再建ができたのは、地震保険の保険金が支払われたことが大きいという。

   現在は結婚して子どもも生まれ、家族と暮らす男性は、「もし地震保険がなかったら、結婚も考えられなかったと思うし、(津波で浸水した)この家も(修理することなく)アパートでいいや(と考えたかもしれない)」と振り返っていた。

被災後、地震保険が「生活再建」につながったという男性(損保協会協力・BS日テレ制作「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」...「地震保険で生活再建」より)
被災後、地震保険が「生活再建」につながったという男性(損保協会協力・BS日テレ制作「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」...「地震保険で生活再建」より)

   自然災害への「備え」に対して、損保協会の杓子尾さんは、あらためてこう呼び掛ける。

「自分の住む地域や自然災害によって発生する被害は変わってきます。そのため、まずはハザードマップを活用し、自然災害が発生したら、生活圏で何が起こるか確認することが大事だと考えています」

   一方で、ひとたび震災が発生すると、財産や生活も被害を受けてしまう。

「東日本大震災で住宅が全壊被害にあった事例では、内閣府の公表情報によると、東日本大震災で全壊した住宅の新築費用は平均約2500万円で、これに対し、公的支援や義援金からの受給額は平均約400万円となっています。
そのほか、東日本大震災の際、被災者生活再建支援制度を申請した人の45.5%は、住宅再建以外に50万円以上の費用をかけており、不足金額である約2150万円は自らまかなう必要があることになります」

   その時、手助けになるのが「地震保険」。杓子尾さんによると、「地震保険」の付帯率は年々増えているが、都道府県によって差がみられる状況があるという。そして、日本では、これまでの地震を踏まえると、いつ、どこで大地震が発生してもおかしくないと考えられている。

「自然災害では、人々の心身への被害が生じてしまうことのみならず、住宅や財産などの生活基盤も失われてしまう恐れがあります。大地震に対する備えのひとつとして有効なのが『地震保険』。当協会としては引き続き、普及のための啓発をしていきたいと考えています」

   備えあれば、憂いなし、と言う。災害への備えの一つとして、地震保険を考えてみてもいいのかもしれない。

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   日本各地で進む「防災取り組み」について、もっと知りたい人は、損保協会のYouTubeチャンネルで公開中の「みんなの防災 スイッチON!~過去から学び 未来に備える~」をご覧ください。ほかにも、損保協会が運営する、防災ポータルサイトの「そんぽ防災Web」や、地震保険の概要をまとめている「地震保険特設サイト」なども「備え」への参考になる。

【地震保険の主な特徴】
・「地震保険」は、住宅の損害保険である「火災保険」にセット(付帯)して契約する保険。
・「火災保険」の契約期間の中途でも、「地震保険」に加入することが可能。
・「火災保険」だけでは、地震、噴火またはこれらによる津波を原因とする損害は補償されない。
・「地震保険」は政府と損保業界で共同運営している保険。保険料には保険会社の利潤は含まれていない。
・「地震保険」の詳しい情報は、地震保険特設サイト(https://www.jishin-hoken.jp/)へ。

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