ESG経営の中心にあるパーパス(目的)とは?
ESG経営の中心にあるのは、パーパス(目的)だ。
企業理念が社内向けであるのに対し、社外の関係者とのコミットメント、つまり共有価値を示す言葉――それがパーパスである、と位置づけている。
たとえば、スポーツ用品メーカー、アディダスは、「スポーツを通して、私たちには人々の人生を変える力があります」をパーパスにしているという。2024年までにすべての商品をリサイクル素材で生産すると打ち出している。
パーパスへの共感が、顧客からも、従業員からも、サプライヤーからも、地域コミュニティからも、投資家からも応援される企業へと導いてくれる、と説明している。
水野さんは、バリューチェーン(価値連鎖)モデルをESG経営にあてはめ、全般管理、人事・労務管理、技術開発、調達の部門ごとのESGを細かく解説している。
たとえば、購買物流部門では
・中小企業や零細企業を排除しない取引をしている
・廃棄物削減への取り組み
など、20のESGアクションチェックを掲げている。
また、ESGに対する自社の推進度や結果を自己診断する「フレームワーク」も付いている。20項目の55の質問からなり、回答のポイントを集計することで、自社のESG推進度を自己採点できるしくみになっている。