冬のボーナスが増加しても、消費は低迷する?
こうした事態をエコノミストはどう見ているのか。
ヤフーニュースのコメント欄では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員の小林真一郎氏が、
「雇用者の賃金は前年比1.8%増と着実に増加しています。中でも、新型コロナの感染拡大一服に伴って経済社会活動が活性化したことで労働時間が増加しており、所定外賃金が同7.9%増と全体を押し上げました。就業形態別の賃金も、一般労働者で同1.9%増、パートタイム労働者で同1.5%といずれも堅調に増加しています」
と、名目賃金が順調に増加していることを強調。つづけて、
「ただし、物価上昇によって実質賃金は減少が続いており、前年比でのマイナスは7か月連続で、マイナス幅も2.6%減と初回の緊急事態宣言発出のさなかにあった2020年5月の同3.3%減以来の減少幅となりました。賃金は増加しているものの、物価高によって家計の購買力減少が目減りする状態から抜け出せていません。
2022年冬のボーナスの増加に加え、2023年春闘での賃上げ率の拡大によって名目賃金の増加基調は維持されそうですが、物価高が収まらないようであれば、いずれ消費が低迷することになりかねません」
と、冬のボーナスに期待しつつも、消費への影響を懸念している。(福田和郎)