新電力が大ピンチ!...相次ぐ経営破たんに事業停止 東北電力、東京ガスが支援した「シナジアパワー」も倒産

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新電力の経営悪化、146社が事業撤退、廃業・倒産

   また、帝国データバンクが12月5日に発表した「新電力会社 事業撤退動向調査(11月)」では、2021年4月時点に登録のあった706社の新電力(登録小売電気事業者)のうち、11月28日時点で21%を占める146社が倒産や廃業、電力事業の契約停止や撤退などを行ったことがわかった。

   3月末時点では31社だったが、6月には104社に急増。その後も増加が続き、3月末から11月までで5倍近くに達した。

   このうち、新規申し込みの停止を含めた「契約停止」が91社で最多。6月の69社から22社増えた。電力小売り事業からの「撤退」は33社で、6月の16社から2倍に増え、「倒産・廃業」は6月の19社から3社増の22社となった。

   その一方で、電力の調達価格の高騰によって、利益確保が難しくなった新電力の相次ぐ事業撤退や倒産は、利用者にも大きな影響を及ぼしている。

   新電力との契約の継続が難しくなり、電力大手などから供給を受ける「電力難民」企業が、この1年で急増。10月には4万5866件に達した。3月の5477件から、じつに8.3倍もの増加だ。

   帝国データバンクは、

「発電設備を持たない売電事業の限界が露呈した。市場価格の高騰が続くなか、財務基盤のぜい弱な事業者だけでなく、大手企業グループでも電力小売事業からの撤退を余儀なくされる事態が相次いでいる」

と指摘している。

   新電力の事業撤退や倒産の状況をみると、22年3月にホープエナジー(福岡市)が破産、熊本電力(熊本市)が電力小売り事業から撤退した。そのほか、4月にはISエナジー(大阪市)が破産、エルピオでんき(千葉県市川市)が事業を停止。7月にはFTエナジー(東京都千代田区)が、10月には石川電力(金沢市)の倒産が発生するなど、事態が収束する様子はない。当面は新電力の事業停止や経営破たんが続くかもしれない。

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