倒産増えるのか?...ダイヤモンド「倒産危険度ランキング」、東洋経済「武器としての名著」、エコノミスト「論争で学ぶ 景気・物価・ドル円」を特集

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名著が武器になる

   「週刊東洋経済」(2022年12月10日号)の特集は、「武器としての名著」。感染症や戦争はいまだ収束の兆しを見せず、世界は混迷のままに2023年を迎えようとしている。そんな今こそ、古典的な名著が武器になると、ブックガイドを特集している。

   東京の丸善・丸の内本店の人文書売場では、社会で大事件が起きたときは、古典的な名著がよく売れるという。

   コロナ禍でブームになったのが、カミュの「ペスト」だ。今なお売れ続け、125万部に到達した。「未知の感染症を前に、過去に学ぼうという意識の表れではないか」と担当者は振り返っている。

   特集では、第一線の研究者や経営者を「水先案内人」に、今読むべき名著を紹介している。 まず、ロシアのプーチン大統領が政治利用するドストエフスキーについて、ロシア文学者の亀山郁夫さんが、「カラマーゾフの兄弟」からウクライナ戦争を読み解いている。

   晩年のドストエフスキーは右派思想、とくに「汎スラブ主義」に立っていたという。ロシア正教のもとで東ヨーロッパのスラブ民族を統一しようという考え方を、プーチンは自らの血肉にしようとしているという。

   もっとも、「今のプーチンは21世紀の現代では自己を正当化できないということだ。だから、歴史と文化の中に逃げ込んでいる」と批判している。

   中国の習近平国家が魅入られているのが、中国・戦国時代の思想家「韓非子」だという。徹底した合理主義と冷徹非常な政治感覚に貫かれている。

   早稲田大学教授の柿沼陽平さんによると、習主席は「韓非子」をたびたび引用しているそうだ。中国の動向を占う上で、「韓非子」が参考になると指摘している。

◆読むべき古典ブックガイド

   8つのテーマごとの古典ブックガイドも参考になるだろう。

   環境問題では、「沈黙の春」(レイチェル・カーソン著、新潮文庫)、「種の起源」(ダーウィン著、岩波文庫)。戦争と平和では、「ローマ帝国衰亡史」(エドワード・ギボン著、ちくま学芸文庫)。科学技術については、「新科学対話」(ガリレオ・ガリレイ著、岩波文庫)などを、京都大学名誉教授の鎌田浩毅さんが選んでいる。

   ちなみに、いきなり原著を読むのはハードルが高いという人に勧めているのが、インターネットラジオやYouTubeのコンテンツを視聴することだ。

   男性パーソナリティー3人が世界や日本の歴史について解説する、インターネット音声配信番組「コテンラジオ」は、ビジネスパーソンの人気が高いそう。

   番組制作のために読み込んできた本は、協力関係にあるバリューブックスのサイトで「参考書籍ライブラリ」として1400冊以上が公開されているので、番組から名著にたどり着くこともできる。

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