食料品などの値上げラッシュが続いた2022年――。
目下のところは、6699品目にのぼる記録的な値上げがあった2022年10月を山場にピークアウトしている。
ところが、来年の値上げ予定の品目数は11月末時点で4000品目を超え、今月中にも計画ベースで累計5000品目に到達する見込みで、2023年2月には再び値上げラッシュとなる可能性があるという。
そうしたなか、消費者の買い物の仕方にも変化が現れている。
顧客満足度向上のプラットフォーム「ファンくる」を運営する株式会社ROI(東京都千代田区)が12月2日に発表した「食品値上げについての意識調査」によると、そこには消費者の「努力」が垣間見られた。
食品の価格高騰「お店で値札を見たとき感じる」
消費者の財布のひもはジワジワと固くなるものの、食費を削るには限度がある――。食料品の値上げが相次ぐなか、調査では「現在、食品の価格高騰を実感していますか」の問いに、「実感している」と答えた人は全体で94%(「感じる」の43%と「非常に感じる」の51%の合計)にのぼった。
年代別にみると、50代以上が「全く感じない」が0%、「感じない」と「どちらでもない」がそれぞれ2%で、「感じる」が42%、「非常に感じる」は55%と、「実感している」人が97%と、全体平均を3ポイント上回る結果となった【グラフ1参照】。
また、「どのような時に食品の価格高騰を実感しますか」(複数回答)の問いには、多くの消費者が「お店で値札を見たときに感じる」(88%)と答えた。次いで、「レジの会計のとき」が46%、「チラシやネットで価格を見たとき」が36%と続いた【グラフ2参照】。
値上げに対して「困っている」と答えた人は、全体で92%(「困る」47%と「非常に困る」45%の合計)だった。年代別にみると、20代が93%(50%+43%の合計)、30代も93%(42%+51%の合計)、40代が89%(46%+43%の合計)、50代以上が91%(53%+38%)【グラフ3参照】と、わずかではあるが20代、30代の若い人ほど食品の値上がりに「困っている」ようすがうかがえる。
野菜や肉・肉加工品の値上げ「困る」!
ほかには、「どのような商品が値上げされると困りますか」(複数回答)と聞くと、「野菜」と答えた人が79%で最多。「精肉・肉加工品」は78%だった。主食となる「お米・雑穀」は65%。「パン・シリアル、ジャム」が58%、「麺類・パスタ」の55%が多く、半数を超えた【グラフ4参照】。
さらに、「いつも購入している食品が値上げしたら、買うことを躊躇しますか」では、「躊躇する」と答えた人は全体で83%(「躊躇する」67%+「非常に躊躇する」16%の合計)にのぼった。年代別でみると、30代だけが85%(69%+16%の合計)と、全体平均を上回った【グラフ5参照】。
一方、「値上げによって買い物の仕方はどのように変わりましたか」では、「商品を買い控える」と答えた人が39%、「より安い商品に切り替えた」とする人は19%だった。「買いだめするようになった」(16%)や「購入する場所を変えた」(8%)と答えた人もいた。「特に変わりはない」は1%、「その他」は17%だった。
また、「商品の買い控え」は30代が43%と最多。次いで50代以上の41%だった【グラフ6参照】。
ROIが今年4月に実施した調査と比べると、「価格高騰を実感している」人は87%から94%に、「価格高騰に困っている」と答えた人は90%から92%に増えていた。同社は、度重なる値上げに消費者の中で実感がより湧いているといえる、としている。
また、買い物の仕方では83%の人に変化があったことがわかり、それぞれ値上げに対して少しでも家計を守るため、工夫していることがうかがえた。
なお、調査は、2022年11月24日~28日にROIが運営する「ファンくる」の会員1000人(男性334人、女性666人)を対象に実施。有効回答者数は921人(男性272人、女性644人)だった。