インボイス制度、企業の76%「内容を理解」も対応に苦慮 「田舎のお年寄りのお小遣い稼ぎ程度の商売ができなくなる」

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取引先への対応に困惑「一人親方との取引やめるわけにはいかない」

   また、企業にインボイス制度の登録状況を聞くと、52.9%が「2022年9月末時点で申請を済ませた」としていた。「2022年10月から23年3月までに申請予定」の22.6%と合わせると、今年度中に申請する企業は75.5%となる見込みだ。【図表1参照】

(図表1)インボイス制度の登録状況(帝国データバンク)
(図表1)インボイス制度の登録状況(帝国データバンク)

   企業からは、

「社内で十分に調査・把握し準備はできている」(東京都、電気計測器製造)

との声があがっている。その一方で、「申請しない」企業は2.6%だった。

   しかし、取引先のインボイス制度の登録状況を「確認済み」の企業は3.8%にとどまる。「現在、確認中」が25.4%、「制度開始までに確認予定」が45.8%だった。企業の7割超で取引先の状況を確認する意向があり、以下のような意見があがっている。【図表2】

(図表2)取引先の登録状況の確認(帝国データバンク)
(図表2)取引先の登録状況の確認(帝国データバンク)
「取引販売先のお客様の6割が個人事業主となるため、インボイス登録の確認は必須と考えている。今後の手続き(仕入れ)に関しても社内で研修を2023年度に実施する予定である」(茨城県、和洋紙卸売)
「免税事業者の多くは個人事業主が多く、対応を決めかねている方が多いため、自社として早くからの準備は不可能。現実的には、諸々の確認、調整作業は来年4月期以降になる」(北海道、各種商品小売)

   その半面、「特に確認しない」とする企業は14.5%だった。こちらからは、こんな声が――。

「田舎で少量の農作物を作って販売、漬物など加工販売していたお年寄りたちが、小遣い稼ぎ程度の商売ができなくなる」(石川県、乾物卸売)
「フリーランスとの取引が多いので、取引先への説明に労力を使っている。意外とまだ気にしていない方もいる」(東京炉、劇団)
「非常に困惑している。一人親方や、個人経営の協力会社は、重要な戦力であり、今後取引をやめるわけにもいかず、現在検討中である」(東京都、舗装工事)
「販売管理システムの大幅な変更で、大きな設備投資が必要となり、経営的にも大きな負担となる。政府の助成制度などを期待したい」(北海道、食料・飲料卸売)
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