深刻化が予想される「物流の2024年問題」 ドライバーの確保「他人事でなくなる」事態に

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   トラックのドライバー不足などによる物流危機が懸念される「物流の2024年問題」が話題だ。

   トラックドライバーの年間労働時間は現行、全産業平均に比べて2割程度長く、労災請求件数、支給決定件数ともに最も多い業種とされる。

   労働環境を改善する必要があるなか、コロナ禍の「巣ごもり需要」で、インターネットショッピングの利用などのEC市場が急拡大する一方、物流業界ではドライバーの高齢化や人材不足、長時間労働は深刻化している。

   2024年から、トラックのドライバーなどに対して働き方改革関連法が適用されることになると、運送業者らが抱えるドライバーのコストが膨らみ、経営の負担はますます重くなるという。

  • 「物流の2024年問題」とは?(写真はイメージ)
    「物流の2024年問題」とは?(写真はイメージ)
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物流・運送業の先行き、72%が「さらに厳しくなる」

   時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間で、急用などの特別な事情があって、かつ労使が合意する場合でも年720時間以内となっている。

   事務や作業など、一般の職種については、大企業は2019年4月1日から、中小企業は20年4月1日から適用されている。だが、24年4月1日以降は、5年間の猶予期間を与えられていたドライバーにも、この時間外労働の上限が適用される(ただし、ドライバー職には時間外労働の上限適用後も一般の職種よりも長い「年960時間・月平均80時間以内」となる)。

   今後さらに人手不足が予測されるなか、物流・運送業の先行きについて75.2%の経営者が「さらに厳しくなる」と考えていることがわかった。M&Aキャピタルパートナーズ(東京都千代田区)が物流・運送業の経営者101人に聞いた(2022年11月7日の発表)。「現状維持」と答えた人は13.9%だった。

   また、「ドライバー不足への対策を実施していますか」と聞いたところ、「すでに実施している」と答えた経営者は22.8%、「実施する具体的な予定がある」とした人は23.8%だった。合わせて46.6%の経営者がドライバー不足への対策を実施、あるいは実施を予定していると答えた。

   さらに、「すでに実施している」「実施する具体的な予定がある」と答えた人に、「ドライバー不足への対策」(複数回答)を聞いたところ、「労働時間の改善」が72.3%、「ドライバーの賃金向上」が51.1%、「採用・求人の強化」が51.1%となった。

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