2023年の年明けに向け、初売りで展開する百貨店の「福袋」を、各社が次々と明らかにしている。
新型コロナウイルスの感染第8波とされつつも、行動制限がなくなるなかで迎える新年。コロナ禍で控えてきたことを思い切り楽しんでもらおうと、「体験型」の福袋が注目を集めている。
西武池袋本店、八ケ岳高原で楽しむ「ウエディング福袋」 阪急阪神百貨店、沖縄での「フォトウェディング」
松屋の23年の福袋のテーマの一つは「コロナ禍でできなかったことをかなえる!」だ。ユニークな福袋が多い中、「A LITTLE CHANGE TOUR(ちょっと変身ツアー)~銀座・有楽町探訪」が目をひく。
どういうものかというと、プロのスタイリストがアテンドして、自身に合った服などを購入しながら「変身」させてもらう。その後、クラシックカーに乗って、会席料理の名店「銀座吉兆」で食事をし、五つ星のラグジュアリーホテル「ザ・ペニンシュラ東京」で宿泊するスペシャル体験だ。男女ペア1組限定で価格は100万円。すべて込みで140万円相当の福袋だという。
一方、コロナ禍で延期や中止となっていた結婚式を、今年こそ実行してもらおうという福袋も続々登場している。
西武池袋本店は、八ケ岳高原(長野県)で楽しむ「ウエディング福袋」を準備している。邸宅1棟を完全貸し切りとし、新郎新婦の衣装やヘアメイク代のほか、参列者10人分の1泊2食付きの宿泊代金などをセットにする。1組限定、10万円で販売する。
阪急阪神百貨店は、沖縄の海が見渡せるプライベートガーデンなどで撮影ができ、プライベートヴィラでの宿泊も付いた「フォトウェディング」の福袋を限定1組、39万8000円で提供する。
タキシードやドレス、アートブーケ代なども含まれ、100カットの撮影ができるといい、「ラグジュアリーなリゾート気分を満喫してほしい」とPRする。
家計応援にも注目! 東武百貨店は、お得な価格で果物など届ける「サブスク福袋」
他方、若者を中心に昭和ブームが続いているなか、東武百貨店は「昭和レトロ福袋」を販売する。
昭和のアイドルのようなオリジナルポスターや写真集を作ることができる「私もアイドル!福袋」(限定3人)や、「あなただけの振り付けを!」とプロの振付師が指導するレッスンの福袋(限定5組)などが人気を呼びそうだ。新年にちなみ、いずれも2023円で販売する。
体験型の福袋で特に目立つのが、高島屋が販売する、最先端の建設用3Dプリンターで作る住宅「スフィア」だ。1棟限定で、値段は330万円。住宅の面積は約10平方メートルで、24時間あれば施工が可能だという。高島屋は「自分だけの趣味の離れ小屋や、ワーケーション部屋などして利用できる」と呼びかけている。
このほか、2023年は円安や物価高の中で幕開けする可能性が大きく、「家計を応援しよう」という福袋も多い。
東武百貨店がお得な価格で毎月、果物などを自宅に届ける「サブスク福袋」なども前評判が高い。(ジャーナリスト 済田経夫)