【1万円からはじめる暗号資産】4年のサイクルでバブルを繰り返してきた暗号資産市場、これからどうなる?...今後の展望予測【暗号資産バトル 最終節】

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ゲームで稼げる?...GameFi(ゲーミファイ)って何だ?(明治大学 城正人さん)

   市場はFTXの話題でもちきり、大きく下落したことで、ボラティリティ(価格変動率)は縮小し、いったん上昇も下落もしない停滞した相場に。トレードという点では、正直、動きづらさを感じています。

   しかし、いつまでも引きずられているわけにはいきません。次のバブルに備え、知識を貯めておく必要があるでしょう。

   さて、今週は以前、ちまたで話題となっていた「ゲームで稼げる? GameFi(ゲーミファイ)の仕組み」について解説していきます。

●1. GameFi(ゲーミファイ)とは

   GameFi とは、Game(ゲーム)とFinance(金融)を組み合わせた言葉。ゲームを遊ぶことで、プレイ報酬として、暗号資産を稼げるというものです。代表的なGameFiの例としては、Axie(アクシー)やSTEPN(ステップン)などさまざま。STEPNでは、ケータイ片手に歩くだけで、仮想通貨を稼ぐことが可能という仕組み。全盛期の頃には、生活費をGameFiによって稼いだ人もおり、注目を集めていました。

   「GameFiで稼ぐ方法」などの記事、はweb検索すれば大量に出てきますが、実際のところ、なぜゲームによってお金を稼ぐことができるかについて解説した記事は少ないです。

   今回はこのような観点で、どのように資金が循環し、配分され「稼げるGameFiを構築しているか」、そのビジネスモデルを分析していきたいと思います。

●2. GameFiの典型的なモデル

   まず、GameFiの全体的な資金の流れは、参加者の初期投資やアイテムの購入資金を背景に、ゲームの進捗や勝敗などに応じて、その資金を分配。もちろん、独自トークンやNFT、その他もろもろの要素を加え、特色を打ち出して入るものの、もはやこれに尽きるでしょう。

   当然、ゲームの開発費用など、運営がコストとして差し引く部分もありますから、全体でみると、参加者はマイナスサムのゲームに参加していることになります。

   このような特性から、「マルチまがい」などと言われ敬遠されることも。それでは、GameFiに投資はご法度かといえば、必ずしもそういうわけではありません。

   以下に挙げた2つのような考えを持って、GameFiをおこなえば、現状のモデルでも問題なく楽しめるでしょう。

・早く乗って早く降りる
・稼ぐではなく純粋に楽しむ目的

・早く乗って早く降りる

   GameFiは、比較されがちな「マルチ」と比較して、プロジェクトのオーナーと投資家(プレイヤー)との間の情報の非対称性が小さく、流行する前に投資し流行全盛期に売り抜けることで、莫大な資産を築くことが可能。

   流行前に投資を始めることができれば、「NFTや独自トークンの値上がりによって利益を享受するほうがゲームをプレイするよりも効率よく稼げる」なんてことも、頻繁にありおすすめの投資法。

・稼ぐではなく純粋に楽しむ目的

   たとえば、散歩してお金を稼げるSTEPNを例に挙げるとわかりやすいです。散歩を習慣化し、健康を手に入れたい、というモチベーションを維持するために利用したい! という動機であれば、稼げるか稼げないかよりも、「健康を手に入れることができる」という付加価値が生まれています。

   以上の2つの考えを持っていれば、間違っても微量の報酬を目当てに、街をさまようゾンビとなることはないでしょう。

   法人単位で投資することであれば、ゲームプレイの大規模集約化も「勝つ」1つの方法といえるでしょう。

●3. GameFiがプラスサムになるためには?

   現在のGameFiのモデルは、あまりにも「マイナスサム」の要素が強く、個人的に好みではありません。しかし、このマイナスサムゲームをプラスサムに変えることができたプロジェクトこそが、次のバブルで輝く銘柄になり得ると考えています。

   プラスサムになるためには、参加者の投資資金以外に、外部から資金を還流させる仕組みが必要です。それもユーザーのゲームをプレイするという行動、情報自体が付加価値を生み出すような仕組みです。

   たとえば、Health to Earn――つまり、「健康保険加入者が健康的な生活を送れば送るほど、コインが稼げる」ということ。

   そうすると、保険会社としては、加入者が健康になることで入院リスクが低下、保険金支払い期待額は減少しますから、その一部を報酬として、ユーザーに分配することでプラスサムのゲームに転換します。

   以上のように、ユーザーの行動を経済的インセンティブによって制御したり、広告などによってプラスサムゲームへ転換したりすることは可能だと考えています。

●4. まとめ

   今回はGameFiモデルの現状、欠陥、そして今後を勝つことができるGameFiとは何かという点でお伝えしてきました。

   現在は、市場の静まりとともに、ほとんどの銘柄が注目を失っていますが、次のバブルこそは、こういった「プラスサムのGameFi」銘柄に注目して投資を行っていきたいですね。

●今週の取引
なし

前週からの損益=プラス・マイナスゼロ
11月25日現在=1万283円

◆池田昇太のワンポイントアドバイス
仮想通貨市場は過去の相場を見ると、約4年ごとにバブルと崩壊を繰り返しているので、従来通りの動きに従うなら、2025年辺りから再び相場が盛り上がるかもしれないですね。
GameFiというと、「Play to Earn」に加えて、「Move to Earn」なども話題に上がり、Twitter上でも意見交換されていますが、たしかにそのビジネスモデルについて深く考察する人は多くないと思います。現状、マイナスサムで新規ユーザー獲得を継続していくことに依存している体制ですので、不安定な経営であるというのは私も同意見です。
GameFiのビジネスモデルがどう変化していくのかは、今後も観察してきたいところですね。
約半年間のトレードバトル、お疲れ様でした。
城 正人(じょう・まさと)
城 正人(じょう・まさと)
明治大学経営学部
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo

※取引をお休み(東京大学 迫嵩明さん)
前週からの損益=プラス・マイナスゼロ
11月25日現在=1万円

迫 嵩明(さこ・たかあき)
迫 嵩明(さこ・たかあき)
東京大学文科二類2年
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/

◆◆アドバイザーのプロフィール

池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。

学生投資連合USIC 「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

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