主導型(イニシアティブ型)、表出型(エクスプレッション型)、分析型(アナリティカル型)、友好型(フレンドリー型)...4タイプへの対処法
この概念は、人間の行動スタイルを「思考のオープン度」「感情のオープン度」によって分類することに特徴がある。
「思考のオープン度」とは、考えたことを、他者に明確に伝える度合いのことをあらわす。オープン度が高い人は、意思表示が明確で断言するタイプ。低い人は、意思決定に慎重で聞き役に徹するタイプと類型できる。
「感情のオープン度」とは感情を表出させる度合いのことをあらわす。開放度が高い人は表情豊かで、喜怒哀楽が大きく、他者に感情がわかりやすいタイプ。低い人は、分析肌で、冷静沈着で、他者に感情が伝わりにくいタイプと類型できる。
次に、思考・感情のオープン度合いを基軸にして、主導型(イニシアティブ型)、表出型(エクスプレッション型)、分析型(アナリティカル型)、友好型(フレンドリー型)の4タイプに分類する。戦国武将に置き換えるなら、主導型は織田信長、表出型は豊臣秀吉、分析型は明智光秀、友好型は徳川家康と分類することができる。
もし、織田信長が上司だったと仮定しよう。「本日はお日柄もよく」などの前置きは不要だろう。結論だけを端的に述べる方が好まれるはずである。効率よく最短距離で到達することをつねに考えているため、即断即決可能な情報の提供が必須といえる。
これが、豊臣秀吉が上司ならどうか。目立ちたがり屋の一面のある秀吉なら「これは誰も使っていない代物です!」「これを使えば目立ちますよ!」というトークが有効になる。一方、明智光秀なら緻密なマイルストーンが喜ばれるだろうし、徳川家康なら家臣を含めた配下から賛同を得られるかが大きな要素になるはずである。
おそらく、戦国の時代を生きた武将たちも、上司の特性や傾向などを把握したうえで、コミュニケーションをとったはずである。そのようなことを夢想できるところが本書の面白さでもある。メタバース空間の関ヶ原の戦いはどうなってしまうのか。西軍が勝利して、日本はメタバースで世界を牽引する存在となり、「失われた30年」を取り戻せるのか。結末はぜひ本書で。(尾藤克之)