中東カタールで開催中のサッカーワールドカップ(W杯)。「サムライブルー」こと、日本代表の応援で、寝不足の方も多いのではないでしょうか?
いよいよ、グループリーグを勝ち残った強国が熱戦を繰り広げる「knockout stage」(決勝トーナメント)が始まります。
どの国が「ノックアウト」されていくのか、試合結果に注目が集まるなか、ピッチ外では各試合の「man of the match」(最優秀選手)選出をめぐり、ある異変が起きていました。
さあ、次はどの国が「ノックアウト」されるのか?
サウジアラビアが強国アルゼンチンを破った大番狂わせで幕を開けたカタールW杯。日本のドイツ戦勝利やチュニジアのフランス戦大金星など、グループリーグでも数々のドラマが生まれました。いよいよ、決勝トーナメントが始まりますが、じつは「グループリーグ」も「決勝トーナメント」も、日本独特の呼び名のようです。
Argentina beat Poland 2-0 to enter World Cup knockout stage
(アルゼンチンがポーランドを2-0で破り、W杯決勝トーナメントに進んだ)
knockout stage:決勝トーナメント
いわゆる「決勝トーナメント」の正式名称は、「knockout stages」(ノックアウトステージ)です。「knockout tournament」(ノックアウトトーナメント)と表されることもありますが、「knockout stages」の方が一般的です。
「knock out(ノックアウト)」は(打ち負かす、殴り倒す)という意味の単語です。どちらかと言えば、ボクシングなどの試合で、対戦相手をボコボコに打ちまくって「ノックアウト」するシーンが思い浮かびます。1対1の真剣勝負で負けたら、「ノックアウト」される「決勝トーナメント」は、格闘技並みに激しい戦いだ、ということでしょうか。「勝ち抜き戦」の恐ろしさがひしひしと伝わってくる表現です。
「knockout stages」(ノックアウトステージ)で思い出したのが、1998年フランス大会でのイングランド代表チームの敗退です。決勝トーナメントに進出したものの、アルゼンチン代表に敗れてベスト16どまりとなった同チーム。反則行為で退場処分となり、「戦犯」扱いされたデイビッド・ベッカム選手(当時)へのバッシングはすさまじいものでした。
暴徒化したファンによる「殺害予告」が氾濫し、街頭にはユニフォームを着せた等身大の首つり人形が出現。身の危険を感じたベッカム氏はしばらく英国に帰国できなかったほどです。無邪気にベッカムファンを公言していた私は、イギリス人同僚から「ベッカムファンは封印しろ。サッカーファンにボコボコにされるぞ」と警告されて、思わず身震いが...。
本場英国で味わったサッカーファンの恐ろしさから、「knockout stages」の厳しさをあらためて思い出しました。