バラマキではなく、賃上げ促進こそ本筋
ただし、熊野氏は「賃上げ促進こそ本筋」だとしてこう強調する。
「この政策支援を行うメリットには、多くの企業に賃上げ促進税制を利用してもらう狙いもある。中小企業の中には、制度が用意されていても、それを利用せずにいる企業が相当数あると考えられる。インフレ手当分の一時金支給額に対して税額控除されるとなれば、多くの企業が初めて賃上げ促進税制を利用することになる。つまり、制度を利用しようとする企業が多くなって、より賃上げが促進されることにもなるだろう」「政府には、こうした一時的なインフレ手当の支援だけではなく、春闘における趨勢的なベースアップを支援することが望まれる」
(福田和郎)