今年(2022年)のクリスマスプレゼントの平均予算が、昨年より約1割(915円)少ない、7961円になったことが、おもちゃ大手のバンダイ(東京都台東区)の調査でわかった。2022年11月30日に発表した。
エネルギー価格や原材料費の高騰、物流コストの上昇など、物価高の影響でサンタクロース役の親の財布のひもが固くなった。クリスマスプレゼントも節約志向が強まっている。
予算「1万円以上」昨年から5ポイント減
子供たちにとって、今年は「シブい」クリスマスになりそうだ。
調査によると、クリスマスプレゼントの平均予算は7961円で、昨年から915円(89%)減った。クリスマスプレゼントの予算は、2018年が8410円、19年に9411円、20年は9244円と、コロナ禍にあっても上昇。それが、21年に8876円となり、今年はさらに減った。
予算のボリュームゾーンは、「4000円以上6000円未満」が41.1%と最多。「1万円以上」と答えた人は昨年の30.9%に対して、今年は25.9%と5ポイントも少なくなり、予算減少に影響を与えていることが考えられるという。【図参照】
また、「親が想定するクリスマスプレゼントの予算と、子供へ贈るクリスマスプレゼントの予算にギャップがあるか」の問いには、64%の人が実際に購入するプレゼントが予算内に収まらずに「ギャップが生じる」と答えた。
ギャップが生じる理由(複数回答n=600)としては、「子供のリクエストが想定の予算と異なった」「年に一度のイベントだから」「子供のおねだりが強力だから」などの理由が上位にあがっている。
ギャップが生じる人の内訳をみると、「想定した予算より高くなる」と答えた人が38.2%と多く、なかでも6~8歳の女の子の親に、「子供のおねだりが強力で高くなった」の数値が相対的に高かった。「想定より安くなる」は25.5%だった。
欲しいXmasプレゼントは2年連続「ゲームソフト」 「ゲーム機」は後退
調査で、子供が欲しいクリスマスプレゼントを聞いたところ、1位は前年に引き続き「ゲームソフト」(20.2%)だった。2位が「車玩具」の7.7%、3位「ぬいぐるみ」(6.5%)、4位「キャラクターのなりきり・変身玩具」(5.0%)、5位に「ブロック・積木・パズル」(4.3%)と続いた。昨年2位のゲーム機(本体)は7位に大きく後退。バンダイは、1万円以上の予算を組む親が減ったことなどが影響を与えている可能性があるとみている。
一方、親が贈りたい「希望」のクリスマスプレゼントの1位は「知育系アイテム」(13.9%)だった。年齢に合わせたアイテムを選ぶ傾向がみられ、3~5歳は「ブロック・積み木・パズル」、6~8歳は「サイエンス玩具」や「プログラミング玩具」、9~12歳は「本」となった。
6~8歳の「プログラミング玩具」を選ぶ親の背景では、2020年度から小学校でのプログラミング授業の必修化が影響していることが考えられるという。
それと、親がクリスマスプレゼントを選ぶ際のルールやポイント(複数回答)をみると、1位は41.5%で「子供の好きや希望を重視する」だった。バンダイは、
「親は『サイエンス玩具』や『プログラミング玩具』、『本』などの知育系アイテムを贈りたいという希望はありますが、実際は年に一度の行事だからと子供の希望を最大限に叶える様子がうかがえました」
とコメント。「子供の喜ぶ顔をみたい」親の気持ちは変わらないようだ。
なお、調査は、11月4~6日にかけて、3歳~12歳の子どもを持つ男女(25歳~59歳)600人に聞いた。子供にプレゼントを購入する予定があり、プレゼントの選定に関与する予定がある親、また、子供と一緒に回答できる人を対象に、インターネットで実施した。