1冊丸ごと、認知症への備え「全対策」
「週刊東洋経済」(2022年12月3日号)の特集は、「認知症全対策」。介護から予防、費用、相続まで、さまざまな対策を紹介している。
2025年には高齢者の5人に1人がなるといわれる認知症。悩み別のインデックス方式でまとめている。
まず、認知症の基本。原因となる疾患は100種類以上あるが、7割を占めるアルツハイマー型認知症など4つのタイプが9割を占める。根治はできないが、発症を遅らせることや、症状の進行を穏やかにすることはできる。
早期に発見するチェックリストが載っている。10年前の自分と比べ、変化がないか確認することを勧めている。
生活習慣を改善することで認知症の発症リスクを40%下げられるという研究が、2020年、英医学雑誌「Lancet(ランセット)」に掲載された。それによると、運動・知的活動・コミュニケーションの3つを意識すると12の認知症リスク要因のほとんどを取り除けるという。
運動では、週に2~3回、ウォーキングなどの有酸素運動や筋トレを疲れない程度に行うのがいいそうだ。知的活動では新しいことにチャレンジすることを勧めている。新しいことに取り組むと、脳の神経細胞は新たなネットワークを構築するので、認知機能は衰えにくくなる。
最新家電で手軽につくれる「DIYでスマート見守り」という記事にも注目した。
実家をスマートホーム化することで、遠方からでも安否確認やサポートを行う方法を紹介している。安否確認を行うネットワークカメラは1台3000円程度で買える。自力でやるのは難しいという場合には、セコムや東京ガスなどの高齢者見守りサービスがある。
お金や相続への影響、介護と支援の方法など、悩み別に詳しくまとめている。
「全対策」と銘打ち、1冊丸ごと、認知症への備えになっている。親への対策と自分の予防を兼ねて読んでおきたい内容だ。