学校の「制服屋さん」大ピンチ! 少子化、ジェンダーレス化の波が打撃に...1000通りのデザイン着こなし、ユニクロ参入も

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   進学先が決まったある日。商店街の表通りにある「制服屋さん」に入り、採寸して学生服を仕立ててもらった経験のある人は多いだろう。

   その懐かしい「制服屋さん」がピンチに陥っている。東京商工リサーチが2022年11月22日に発表した「休廃業・解散相次ぐ『制服屋さん』、問題山積の業界の悲鳴」によると、従来の収益モデルが成り立たなくなっているという。

   少子化によって生徒数が激減しているのに加え、「ジェンダーレス化」が急速に進むなど、制服を取り巻く環境が大きく変わっていることが響いている。

  • いま、制服はさまざまなスタイルになっているという(写真はイメージ)
    いま、制服はさまざまなスタイルになっているという(写真はイメージ)
  • いま、制服はさまざまなスタイルになっているという(写真はイメージ)

生徒たち「性別に関係なくスカートやズボンを選びたい」の声

   中学・高校の制服の多様化をめぐるニュースが相次いでいる。主なものを拾ってみると――。

●(11月28日)鹿児島市の鴨池中学校は多様性を尊重した制服の導入を目指し、今年10月から毎月1日、私服でも登校できる日を設けている。私服で登校した生徒たちは、同様の取り組みを続けている大分大学付属中(大分市)とオンラインで意見交換会も。生徒たちは、「性別に関係なくスカートやズボンを選べたり、シャツの色を複数用意したりして、選択に幅を持たせる必要がある」と訴えた。(南日本新聞)
●(11月19日)兵庫県をはじめ全国の中学高校で、性別にかかわらずスラックスかスカートかを選べるなど、多様な性自認に配慮した制服の「ジェンダーレス化」が急速に進んでいる。ブレザー型への変更を含め、女子生徒がスラックスをはける学校数が3年間で3倍近くに。男子の詰め襟、女子のセーラー服が少数派になる日は、近いのか。(神戸新聞)
●(11月18日)佐賀県鳥栖市は市立中学校4校の制服を来年度から統一する。男女という区別をなくし、生徒が機能性や好みに基づいて標準服の中から組み合わせる「選択制」とする。違う学校間で「お譲り」ができるようになり、生徒の在籍校はスクールカラーの襟章を付けて表す。(佐賀新聞)
●(11月2日)高知市立城西中学校は、来年度からジェンダーレス制服の採用を決めた。ブレザータイプ、ネクタイやリボンはなく、性別に関係なくズボンやスカートの組み合わせが選べる。生徒会長(女性)は「可愛かった! 次、私が入学するとしたら絶対そっちを選ぶだろうな」と語った。(テレビ高知)
●(11月5日)宮崎県内では、ここ数年で、制服を一新する学校が増えている。たとえば、日南市が来年度から市内9つの公立中学校で導入する統一の制服は、色とりどり7色のポロシャツに加え、スラックスとスカート、それに膝丈のキュロットが用意され、性別問わず自由に組み合わせることが可能。(TBSニュース)
青春真っ盛りの高校生(写真はイメージ)
青春真っ盛りの高校生(写真はイメージ)
●(8月21日)静岡県浜松市西区のオイスカ浜松国際高は、2023年度に一新する学校制服のお披露目ファッションショーを校内で開いた。生徒主導で決めたデザインで、選択肢の多彩さが特徴。冬服はブレザーにカジュアルなフード付きカーディガンや、ベストを組み合わせられる。ネクタイ、リボンはそれぞれ2色あり、スラックス、スカートを含めて性別に関係なく着用できる。夏服は半ズボンタイプがあり、自転車通学時も快適。着こなしの組み合わせは1000通りに上るという。(静岡新聞)
●(3月9日)さいたま市立大宮北高(同市北区)は、新年度からカジュアルブランド「ユニクロ」の既製品を制服に採用する。女子生徒からパンツ着用希望があったことなどから見直しを進め、価格などを考慮して選定。ユニクロを運営するファーストリテイリング(山口市)によると、制服への導入は全国初という。(東京新聞)

......といった案配だ。

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