新型コロナ拡大から3回目の冬を迎え、「今年こそ職場の忘年会復活を!」という動きが広がっている。
しかし、今の若い世代は忘年会を歓迎しているのだろうか。インターネット情報サービス「BIGLOBE(ビッグローブ)」(東京都品川区)が2022年11月22日に発表した「忘年会に関する意識調査」では、職場の忘年会に「参加したくない」という人が8割近くいることがわかった。
今の時代に忘年会というイベントは「必要だと思わない」という人も7割に達した。でも、「こんな忘年会なら出てもいい」という人もいて......。
参加したくない理由「気を使いたくない」「お金がもったいない」
BIGLOBEの調査は全国の20代~50代の働く男女811人が対象だ。まず、「職場・仕事関係の忘年会に参加したいと思うか」を聞くと、「参加したくない」(59.1%)と「あまり参加したくない」(18.6%)を合わせて、「参加したくない」と思っている人は約8割の77.7%にのぼった【図表1参照】。
同時に聞いた「プライベートの忘年会に参加したいと思うか」では、「参加したくない」と思っている人は約6割の61.8%だから、いかに職場の忘年会が「嫌われて」いるかがわかる【再び図表1参照】。
では、なぜ職場・仕事関係の忘年会に参加したくないのだろうか。その理由を聞くと(複数回答可)、「気を使いたくない」(40.2%)が最も多い。次いで「お金がもったいない」(37.1%)、「時間がもったいない」(34.0%)、「勤務時間以外で関わりたくない」(33.8%)と続いた【図表2参照】。
「飲みニュケーション」が苦手な若い世代。忘年会に参加すれば、イヤな上司とも話さなければいけないし、お酌の1つもしなくてはいけないかもしれない。無駄な会費など払いたくないし、早く家に帰って動画を見ていたほうが楽しいに決まっている、というわけだろうか。
「料理がおいしい」「同世代のみの忘年会」なら参加してもいい
コロナ禍の中で、すっかりすたれてしまった忘年会。復活させる必要があるのだろうか。
そこで、「今の時代に忘年会というイベントは必要だと思うか」と聞くと、「あまり必要だと思わない」(31.8%)と「必要だと思わない」(38.2%)を合わせて、「必要だと思わない」という人がちょうど7割の70.0%にのぼる結果となった【図表3参照】。
男性に比べ、女性のほうが「必要だと思う」という人は少ない。「必要だと思わない」と回答した男性が約6割だったのに対し、女性は約8割に達した。同じ若い世代でも、「必要だと思う」と答えた20代男性が11.1%いたのに対し、20代女性が2.4%と、男女差がはっきり出たかたちだ【再び図表3参照】。
ところで、どのような忘年会なら参加したいと思うのだろうか。複数回答可で聞くと、「料理の美味しい忘年会」(56.7%)の人気が最も高かった。次いで「同期など同世代のみの忘年会」(45.0%)、「お酒を飲まなくてもよい忘年会」(38.6%)、「夜でなく、ランチの忘年会」(35.4%)、「抽選会などイベントのある忘年会」の順となった【図表4参照】。
つまり、おいしい料理が並び、気の置けない仲間が気楽に集う、アルコール抜きでも楽しめるイベントが用意された忘年会を求められているようだ。隠し芸を強制するような昭和の「宴会」はご法度ということだ。
調査は2022年11月9日~11月10日、全国の20代~50代の働く男女811人を対象にインターネットでアンケートを行なった。(福田和郎)