世界は「決済」でまわっている!...その歴史と仕組み、よくわかる入門書

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実は今も、国によって好みの決済方法は異なる

   歴史に続いて、「決済の地理学」の章が始まる。

   クレジットカードを発明したアメリカではいまだに小切手が好まれている。毎年およそ150億枚の小切手が切られているというから、アメリカ人1人あたり1週間に1枚の計算になるという。

   小切手が決済されるまでには数日かかるので、その間は口座に資金を残しておけるメリットがあるが、明確な答えにはなっていない。ドイツ、オーストリア、スイスといったドイツ語圏の国々では、いまだに現金の使用率が高い。国によって、好みの決済方法はさまざまで国の慣習による、と説明している。

   裏を返せば、遺産(レガシー)がなければ、物事は非常に速く進むとして、決済のモバイル化が進んだ中国とケニアを例に説明している。

   次が「決済の経済学」だ。

   決済業界はかなりの利益をあげている。決済収入のうち1兆ドル相当(全体の50~70%)を消費者が負担しているというのだ。カードの手数料は、そのほとんどを加盟店が負担しており、消費者が目にすることはない。しかし、価格の上昇という形か、あるいは、クレジットで支払う利息という形で支払う仕組みになっているという。

   アジアの銀行は世界の決済収益のほぼ半分を得ているが、アメリカとは違い、クレジットカードの収益はそのうちの20%弱に過ぎない。当座預金の利ザヤが、55%という非常に大きな割合を占めており、クレジットカードの収益が全体のほぼ半分を占め、利ザヤは20%に過ぎないアメリカとは真逆だ。

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