ドイツを破って「日本ショック」! 海外メディアが注目する日本ベストプレーヤーは?
サウジアラビアが優勝候補アルゼンチンを破る「大番狂わせ」の興奮が覚めやまぬなか、「かませ犬」とされた日本が「勝者」ドイツを逆転で破るなど、カタールW杯は早くも想定外のドラマが繰り広げられています。
なかでも、日本の逆転劇が「shock」を与えたと、各国メディアが速報で報じています。
Germany shell-shocked!
(ドイツ、大激震!)
Japan shock Germany 2-1 in Group E opener
(日本、グループE第1戦でドイツに衝撃を与える)
個人的に、サッカーW杯で思い出すのは1998年のフランス大会です。当時、海外駐在員としてロンドンオフィスに勤務していた私は、試合観戦のために突然「急病」になって会社を休んだり、オフィスから姿を消してパブで盛り上がったりする人たちの「尻ぬぐい」に追われていましたっけ...。
開催期間中にパリ出張が重なった時は、スコットランドの応援団と飛行機が一緒に。機内でバグパイプのような楽器を奏で、ビールを飲みながら楽しそうに盛り上がっている一団に驚きつつ、サッカーを愛する欧州人のマインドに触れた気がしました。
日本が初めてW杯に出場した同大会。プレミアリーグで目が肥えたイギリス人の同僚が「NAKATAはいい選手だ。欧州でも通用するよ」と、中田英寿選手(当時)をほめていたことを思い出します。
それでは今大会、海外メディアは日本選手をどう評価しているのでしょうか? いくつかのメディア評を追ってみると、やはり海外チームで活躍する「海外組」の評価が高いようです。
複数のメディアが「日本のベストプレーヤー」だと推していたのは、ドイツフランクフルトで活躍している鎌田大地選手です。「Europe's top performers this season」(今シーズンの欧州リーグでトップ選手の一人だ)と称しているメディアもありました。
鎌田選手同様、欧州で活躍する久保建英選手の評価も高く、「わずか21才ながらすでに世界中でプレーしている」ことから、「Japanese Messi」(日本のメッシ)と紹介されていました。
1998年当時は予想できなかったほど、海外で活躍する選手が増えた日本。英BBC放送は「J-League evolves Japan's best are heading for Europe」(Jリーグは優秀な選手たちを欧州に向かわせた)という特集を組み、2002年の日韓共同開催時はたった4人に過ぎなかった「海外組」が、カタール大会では「代表選手26人中19人が海外組」だと伝えています。
とはいえ、強豪国ひしめくW杯で、優勝への道のりは相当厳しい様子。専門家による日本チームの予想は「Group stage exit」(グループステージ敗退)が目につきました。
勇敢な「かませ犬」の番狂わせの次なる「ショック」に期待しましょう。
それでは、「今週のニュースな英語」は「shock」(衝撃を与える)を使った表現を紹介します。
Japan shock Germany with comeback win
(日本は逆転劇でドイツに衝撃を与えた)
We were shocked at the news of Twitter
(ツイッター社に関するニュースにショックを受けた)
Your behavior shocks me
(あなたの行動にショックを受けている)
思い起こせば、1998年のフランス大会も「shock」の連続でした。中山雅史選手(当時)の日本W杯初ゴールや、英国ベッカム選手(当時)の退場劇。ジダン選手(当時)ら「移民組」が大活躍したフランスチームの躍進も世界中に「shock」を与えました。
想定外の「shock」ほど、記憶に残るようです。今大会も数々の「shock」が生まれることを期待しましょう。(井津川倫子)