流通大手のセブン&アイ・ホールディングス(HD)は、傘下の百貨店「そごう・西武」を米ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却する。
フォートレスは家電量販大手のヨドバシホールディングス(HD)と組んで、そごう・西武の運営を検討するという。地方の店舗閉鎖の可能性などに懸念が広がっている一方、百貨店を巡る環境の厳しさが一段と鮮明化している。
収益性の向上のため、テナント構成や事業戦略など協議
売却額は企業価値とされる2500億円から負債などを差し引いて決定する。今後、フォートレスは、百貨店事業の収益性の向上のため、そごう・西武とテナント構成や事業戦略などを協議していく。
また、今回、家電量販店のヨドバシHDが、ビジネスパートナーになる。それにともない、ヨドバシは活用可能な店舗を取得する方向だ。
業界事情に詳しい関係者によれば、ヨドバシは「西武池袋本店」(東京都豊島区)や西武渋谷店(同渋谷区)の一部を取得する方向で動いているという。西武池袋本店はそごう・西武の主力店であり、池袋全体の「顔」ともいえる存在だ。関係者は「池袋で歴史ある『西武』の看板は、今後も外さないのではないか」と見る。