ぺんてる株売却で、海外戦略見直し
他方、最終利益の上方修正に貢献したぺんてる株売却だが、簡単に経緯を振り返っておこう。
コクヨは2019年、ファンドを通じて、ぺんてるの創業家が手放したぺんてる株を取得。さらに株取得を進めて傘下に置こうとしたが、ぺんてる経営陣が反発。コクヨが敵対的TOB(株式公開買い付け)に踏みきると、ぺんてる側は事務用品メーカーのプラスに「ホワイトナイト」を依頼し、ぺんてる争奪戦に発展した。
TOBでもコクヨのぺんてる株の保有は約46%にとどまり、事態が膠着するなか22年9月、コクヨはすべての保有ぺんてる株をプラスに売却すると発表していた。
コクヨとしては欧州など海外に販路を持つぺんてるを取り込む方針だったが、海外戦略を一から見直す必要がある。
予想された事態ではあったが、こうした点も足元で株価を軟調にさせているようだ。(ジャーナリスト 済田経夫)